連続高村薫。

2004年5月28日 未分類
『地を這う虫』、ハードカバーの方を本日は読了ということで。
なんちゅーか改稿女王の面目躍如ですね!見事に原型しか留めてない。文庫版との差異を少々。

「愁訴の花」
リンドウの扱いが……主人公の情けなさが足りない。どうしろというんだ、とひとんちの壁際でうずくまって書類抱えてたあの姿がいいんじゃないか。とか。
「地を這う虫」
……こんなオチだったのか……。安直なオチだったのですね。
「巡り逢う人々」
あー、そうそう、こんな話だった。
「父が来た道」
あれー?こんな返事だったっけ。親父、記憶になし。
「去り行く日に」
文庫版との最大の差異。何せ文庫未収録。でも読めば解る何故未収録なのか(平凡な人間の平凡な人生に平凡でないことが起こっても、平凡にしか生きられない、というテーマから外れてるような気がするので)。

いやしかし、これは見事。明確な言葉は時にして安直、ゆえに許さん。という見本のような改稿振り。つかめそうでつかめないその曖昧かつ玄妙なものが人生なんだなあ、と解釈しています。

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