集英社夏の一冊。ナツイチとオツイチは似ている。そんな『暗黒童話』読了。
なんですかこのありえないグロさは。
余りにさりげなくてうっかり読み過ごしてから、あれ、と気がついて考え込んだ。昔読んだ本に「内臓をこね回したような肉塊の表面に顔だけぺったり貼り付けてある」姿にされてしまった登場人物がいて、えらく醜悪でえぐいもんだと嫌悪しつつも心惹かれたもんですが、それをあっさりと上回るオツイチ。リアルな想像をしたら吐くな。世の一生懸命猟奇を追及している文章書きが、すっかり形無し立場なし。
なのに筆致が淡々としているせいか、そういうものだという以上の感想を抱かずに読んでしまう。なんちゅーか童話の残酷さみたい。皮剥がれようが釘の樽に押し込まれようが「ふーん」で済む童話。
奇しくも最近「記憶と断絶されて、以前と違う人格になってしまった」話を読んだばかりなので同じ状況での反応の違いを「ふんふんなるほど」と興味深く読んだ。

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