西澤保彦、集英社。
道化師「ハーレクイン」を名乗る謎の男と、彼に願いをかなえてもらうべくビルを訪れる依頼者(主に女性)のあれやこれやを描いた連作短編集。
「トランス・ウーマン」だけが微妙に形態を異にしている。ハーレクインが報酬を明確に要求し、理恵は明らかに尋常ならざる力の介在を体験している。
これが段々「話を聞くだけで全部解決」その場から動かないことを売りにする安楽椅子探偵の趣を呈するのだからやはりミステリである。
あとがきの篠田真由美に、色々な意味で笑いが止まらなかった。そうか、デビューが同じ頃なのか。探偵が美形なのは京極もじゃないかなーとかいらんことが頭をよぎる。あれは探偵が探偵役してないから違うんだろうけど。同じ「ハーレクイン」を書いても篠田真由美のほうが耽美なのがおかしくて仕方がない。宝塚って的を射た評価だよなほんと。
「ピクチャアウィンドウ」の表記にこだわりでもあるのかといぶかしみつつ、篠田真由美に恨みはないと一応明言しておく。
恨みはないよ、恨みは。

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