『笑う怪獣 ミステリ劇場』
2005年1月31日 未分類西澤保彦、新潮社。
って、これ新潮社から出てたのか!あまりに馬鹿馬鹿しいカバーに大ウケしたあとだけに不思議に思う気持ちと複雑な笑いが湧いてきた。
カバーの絵を不審に思って確認したら装画・挿絵が喜国雅彦で、納得しながら爆笑した。このセンスたまらん。サイコー。内容との相乗効果が素晴らしい。挿絵に「小説を読まずに表紙を描いたら内容と合っていませんでした」という「おわび」があんまり悪びれた様子もなく紛れ込んでるのも笑った。ちょこちょこと名前を耳にして「面白いセンスだなー」と思っていたけど、次からは笑えるものを期待して探すことにしよう。
「ミステリ劇場」というサブタイトルが実は相当に意味深長で、むしろこちらのほうが一冊の本としてまとまった短編7作品の方向性を明確に言い表している。
「ミステリ」という単語は、謎解きとか推理小説ジャンルとかそういう名称より前に、子どもの頃に見たテレビ番組では怖い話についていた思い出があるので(某奇妙な物語とか、心霊番組とか)、ある意味ではダブルミーニングなのかな。怪獣や改造人間や幽霊が、なんの合理的な説明もなく堂々と登場し、主人公三人組をいいだけ翻弄する脱力系の設定にもかかわらず、ほぼ全編きっちり謎と解決が仕込んである手練の仕事。「怪獣は密室に踊る」は普通にミステリ分類が可能(普通に、というのもおかしな表現だけれど)。108号室にいつまでたっても救助が来ない理由である、とあるしかけについては、実行可能性を考えれば多少現実味が薄いものの、きっとこいつは浮かれたり焦ったりするとろくに周囲を見なくなるに違いない、と思わせるキャラクターの造形で読ませる。いや、これ、実際にやろうとしたらサングラス男の労力が甚大に必要だし、実行したら結構間抜けな労働が必要になると思うんですが。寝室が趣味の部屋と化しているオタクには通用しない技かも……などと思い悩んでも、怪獣が登場するような話に何を求めるかお前はと一喝されそうなので中止。
「聖夜の宇宙人」だけさりげなくお約束を外してるんですが、これは目くらましの弾幕かしら。
って、これ新潮社から出てたのか!あまりに馬鹿馬鹿しいカバーに大ウケしたあとだけに不思議に思う気持ちと複雑な笑いが湧いてきた。
カバーの絵を不審に思って確認したら装画・挿絵が喜国雅彦で、納得しながら爆笑した。このセンスたまらん。サイコー。内容との相乗効果が素晴らしい。挿絵に「小説を読まずに表紙を描いたら内容と合っていませんでした」という「おわび」があんまり悪びれた様子もなく紛れ込んでるのも笑った。ちょこちょこと名前を耳にして「面白いセンスだなー」と思っていたけど、次からは笑えるものを期待して探すことにしよう。
「ミステリ劇場」というサブタイトルが実は相当に意味深長で、むしろこちらのほうが一冊の本としてまとまった短編7作品の方向性を明確に言い表している。
「ミステリ」という単語は、謎解きとか推理小説ジャンルとかそういう名称より前に、子どもの頃に見たテレビ番組では怖い話についていた思い出があるので(某奇妙な物語とか、心霊番組とか)、ある意味ではダブルミーニングなのかな。怪獣や改造人間や幽霊が、なんの合理的な説明もなく堂々と登場し、主人公三人組をいいだけ翻弄する脱力系の設定にもかかわらず、ほぼ全編きっちり謎と解決が仕込んである手練の仕事。「怪獣は密室に踊る」は普通にミステリ分類が可能(普通に、というのもおかしな表現だけれど)。108号室にいつまでたっても救助が来ない理由である、とあるしかけについては、実行可能性を考えれば多少現実味が薄いものの、きっとこいつは浮かれたり焦ったりするとろくに周囲を見なくなるに違いない、と思わせるキャラクターの造形で読ませる。いや、これ、実際にやろうとしたらサングラス男の労力が甚大に必要だし、実行したら結構間抜けな労働が必要になると思うんですが。寝室が趣味の部屋と化しているオタクには通用しない技かも……などと思い悩んでも、怪獣が登場するような話に何を求めるかお前はと一喝されそうなので中止。
「聖夜の宇宙人」だけさりげなくお約束を外してるんですが、これは目くらましの弾幕かしら。
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