なんとなく三谷幸喜。
芸能ネタはすなわち時事ネタであるのだなあつくづくと思った。
少なくとも10年単位で待たないと、それが残るものであるかどうかもわからない辺り(そして10年経ったら記憶にない辺り)。

『気まずい二人』角川書店。
人見知りで微妙に自意識過剰の三谷幸喜が、女性ゲストを呼んで恐怖の対談に臨む。で、それをまとめて「おおむね対談集」にした本。
初回の会話の途切れっぷりが面白い。「耳に入ってません」とはっきり言い切る三谷幸喜の態度に爆笑。これだけ面白かったら話し下手でも許されちゃうかもしれない。一人で外食するときに視線の収まりどころが悪くて居心地が宜しくない、プールで泳いだとき一方通行で歩いて帰ってくるとき何を考えていいのかわからない、など日ごろ感じていた座りの悪さを共有できる人がいたのが妙に嬉しかったです。本を片手に喫茶店は平気でも、一人で黙々と食事するのってなんかこう、視線が泳ぐというか考えが泳ぐというか、わたしはとにかくいたたまれない気分になります。
そしてこの本のもっとも偉大な点は、「(笑)」を一度も使用せずに会話の雰囲気を再現しているところにあると思います。「(笑)」は便利なだけに安易に使用してしまいがち、と指摘しつつ華麗にクリアしているのはさすが。脚本家にして劇作家なだけのことはあります。本職の腕が冴え渡る。

『三谷幸喜のありふれた生活2 怒涛の厄年』朝日出版社。
朝日新聞で連載している身辺雑記を一冊にまとめたもの。シリーズ二冊目。2001年9月25日〜2002年12月25日連載分。
井上陽水ってへんなひとですよね(ものすごく褒めてる)。
芸能ネタis時事ネタの法則。

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