森博嗣、講談社ノベルス。
例の一行が避暑地に出かけて殺人事件。
「ラストの一行で、読者を襲う衝撃の真実!」とカバー背中に書いてあるんですが、へえ、そうなんだ以上の感想を抱けずぬぼーっと流してしまいました。ラスト一行の衝撃といえば京極の『絡新婦の理』が凄まじかったので、ついそう思ったのかもしれません。ラスト一行までに費やした迂回が桁違いだからね。
むしろp255から始まる保(ネタバレ)の方が驚いたよ!毎回読者をびっくりさせるのが、犯人でもトリックでもないというおそろしさ。
と、いうか森博嗣はミステリに一般的に求められるようなサプライズに、興味がないんじゃないかな。提示される条件に、わざと読者を引っ掛けようとする意図を感じないし、その条件を前提として考えると、犯人その他の真相は簡単に読み取れるので。事件の真相としての動機や犯人がわからなければ、途中で実行犯や機械的なトリックについては読者に見破られても構わない風に見える。実際、紅子さんも犯人ついては「そんなことなら、最初からわかっていたもの」と、最後までわからなかったのは動機(みたいなもの)だと言っているし。
毎回「密室」ネタになるのも、そろそろどうかと思わないでもないですが。
人間があやつられる人形を演じるくだりがいいなあ。今回のテーマ人形が、真相と密接に結びついてるのが面白かった。確かに真相は人形でモナリザでした。人形マトリクスの(ネタバレ)は可愛らしくて壮観だろうなー……って、キャンバスの裏にあったアレも(ネタバレ)に見えるんじゃないんですか?誰も気付かなかったとか言わないよね?
まったく関係ないですが、図書館から借りた森博嗣の本は、沢山の人が丁寧に読んだあとが残っていて、とてもやさしい感じがします。おんなじ本でも、こんなにやわらかい手触りになるんですねえ。なんか本自体がふかふかしてて素敵です。
例の一行が避暑地に出かけて殺人事件。
「ラストの一行で、読者を襲う衝撃の真実!」とカバー背中に書いてあるんですが、へえ、そうなんだ以上の感想を抱けずぬぼーっと流してしまいました。ラスト一行の衝撃といえば京極の『絡新婦の理』が凄まじかったので、ついそう思ったのかもしれません。ラスト一行までに費やした迂回が桁違いだからね。
むしろp255から始まる保(ネタバレ)の方が驚いたよ!毎回読者をびっくりさせるのが、犯人でもトリックでもないというおそろしさ。
と、いうか森博嗣はミステリに一般的に求められるようなサプライズに、興味がないんじゃないかな。提示される条件に、わざと読者を引っ掛けようとする意図を感じないし、その条件を前提として考えると、犯人その他の真相は簡単に読み取れるので。事件の真相としての動機や犯人がわからなければ、途中で実行犯や機械的なトリックについては読者に見破られても構わない風に見える。実際、紅子さんも犯人ついては「そんなことなら、最初からわかっていたもの」と、最後までわからなかったのは動機(みたいなもの)だと言っているし。
毎回「密室」ネタになるのも、そろそろどうかと思わないでもないですが。
人間があやつられる人形を演じるくだりがいいなあ。今回のテーマ人形が、真相と密接に結びついてるのが面白かった。確かに真相は人形でモナリザでした。人形マトリクスの(ネタバレ)は可愛らしくて壮観だろうなー……って、キャンバスの裏にあったアレも(ネタバレ)に見えるんじゃないんですか?誰も気付かなかったとか言わないよね?
まったく関係ないですが、図書館から借りた森博嗣の本は、沢山の人が丁寧に読んだあとが残っていて、とてもやさしい感じがします。おんなじ本でも、こんなにやわらかい手触りになるんですねえ。なんか本自体がふかふかしてて素敵です。
コメント