『ハローワールド 青い記憶』
2005年4月15日 未分類涼風涼、角川スニーカー文庫。
ニトロプラス原作、PCゲームソフトのノベライズ。原作は愛を込めて語りますが、ノベライズとそのノベライズしたライターについては酷評するのでその辺りを踏まえて以下感想どうぞ。
いかにもノベライズらしいノベライズ。ノベライズに求められるところを全て満たしながら、ノベライズに求められる要件以外のなにものも満たそうとしていない。原作のファンが暴動を起こさない程度に原作に忠実に、小説の読み手が一読即座に捨てない程度に文章は巧みに。書き手の個性に用は無いので、できるだけ品行方正にお願いしますよ、というありきたりなノベライズのお手本のような作品ですな。こういう、求められた課題だけはきっちりこなせるけど、それ以上に表現することのない、ノベライズらしいノベライズを書く作家を個人的に「ノベライズ屋」と呼ぶことにしています。
作者に対する解釈は二通り。作品と同じ解釈で見るなら、ものをつくることが好きな人間の集まるところに必ずいる、与えられた課題はそつなくこなすけど、自分からつくりだすことのないタイプ。
好意的に解釈するなら、「ノベライズ屋」に徹底することが出来る巧者。作家本人の作品でありながら原作をきっちり踏襲していて、なおかつ面白い、なんていう作品はほとんど伝説みたいなもので(誰それによるなんとかのノベライズは伝説、という評の仕方は結構目にする)、かつ、うっかり独自色を出した日には、原作ファンから自分の色を出したければオリジナルでやれと言われかねないことを考え、ノベライズは徹底してノベライズとして書く人。この文体この傾向で書くことを、まったく自覚的におこなっているなら巧緻に過ぎる。
そういったノベライズの事情みたいなものはさておいて、『ハローワールド 青い記憶』、端的に評価すると、「つまらない」。
わたしは頭の中に原作がインストール済みなので、脳内補完でそこそこ面白く読めましたが、原作がインストール前の人が楽しめるかどうかは微妙。原作ファンとしてもこれは微妙なラインでしょう。和樹の外界認識が、物語の進行とともに変化していくのが面白いのに、起動3ページ目で戸惑ったりしたら駄目でしょ。そこは戸惑うところじゃなくて、認識に必要なだけ時間が経過するところでしょう!みたいな箇所をぽつぽつと見つけて萎えます。三人称だからこういう事態に陥っているのだとすれば、何故思い切って一人称にしなかったのか謎。一人称と三人称で交互に語ってもいいじゃないか。
ストーリー進行は割りと忠実。でもこれってもしかして純子さんルート……?予想通りお嬢様は一行も登場せず。サブタイトルどおり、各章のタイトルは「青い記憶」のフレーズから。
って、ちょっと待て。巻末の次巻予告、サブタイトル「BLAZE UP」になっていますが!わたしてっきり奈都美ED(ヒロイン全員残るほう)かと思ってたんですが、このタイトルでこの内容だと、純子さんEDでしかも(二人で××××するほう)分岐しかねないんですけどどうなんですか?!
うわー……なんだか違う意味で次の巻が楽しみになってきました。
ニトロプラス原作、PCゲームソフトのノベライズ。原作は愛を込めて語りますが、ノベライズとそのノベライズしたライターについては酷評するのでその辺りを踏まえて以下感想どうぞ。
いかにもノベライズらしいノベライズ。ノベライズに求められるところを全て満たしながら、ノベライズに求められる要件以外のなにものも満たそうとしていない。原作のファンが暴動を起こさない程度に原作に忠実に、小説の読み手が一読即座に捨てない程度に文章は巧みに。書き手の個性に用は無いので、できるだけ品行方正にお願いしますよ、というありきたりなノベライズのお手本のような作品ですな。こういう、求められた課題だけはきっちりこなせるけど、それ以上に表現することのない、ノベライズらしいノベライズを書く作家を個人的に「ノベライズ屋」と呼ぶことにしています。
作者に対する解釈は二通り。作品と同じ解釈で見るなら、ものをつくることが好きな人間の集まるところに必ずいる、与えられた課題はそつなくこなすけど、自分からつくりだすことのないタイプ。
好意的に解釈するなら、「ノベライズ屋」に徹底することが出来る巧者。作家本人の作品でありながら原作をきっちり踏襲していて、なおかつ面白い、なんていう作品はほとんど伝説みたいなもので(誰それによるなんとかのノベライズは伝説、という評の仕方は結構目にする)、かつ、うっかり独自色を出した日には、原作ファンから自分の色を出したければオリジナルでやれと言われかねないことを考え、ノベライズは徹底してノベライズとして書く人。この文体この傾向で書くことを、まったく自覚的におこなっているなら巧緻に過ぎる。
そういったノベライズの事情みたいなものはさておいて、『ハローワールド 青い記憶』、端的に評価すると、「つまらない」。
わたしは頭の中に原作がインストール済みなので、脳内補完でそこそこ面白く読めましたが、原作がインストール前の人が楽しめるかどうかは微妙。原作ファンとしてもこれは微妙なラインでしょう。和樹の外界認識が、物語の進行とともに変化していくのが面白いのに、起動3ページ目で戸惑ったりしたら駄目でしょ。そこは戸惑うところじゃなくて、認識に必要なだけ時間が経過するところでしょう!みたいな箇所をぽつぽつと見つけて萎えます。三人称だからこういう事態に陥っているのだとすれば、何故思い切って一人称にしなかったのか謎。一人称と三人称で交互に語ってもいいじゃないか。
ストーリー進行は割りと忠実。でもこれってもしかして純子さんルート……?予想通りお嬢様は一行も登場せず。サブタイトルどおり、各章のタイトルは「青い記憶」のフレーズから。
って、ちょっと待て。巻末の次巻予告、サブタイトル「BLAZE UP」になっていますが!わたしてっきり奈都美ED(ヒロイン全員残るほう)かと思ってたんですが、このタイトルでこの内容だと、純子さんEDでしかも(二人で××××するほう)分岐しかねないんですけどどうなんですか?!
うわー……なんだか違う意味で次の巻が楽しみになってきました。
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