『夏期休暇』

2005年4月14日 未分類
長野まゆみ、河出文庫。
94年の書き下ろしなので、初期作品ですね。この頃の長野作品が一番好きだな。夏の景色の描写が鮮烈に美しい。光の移り変わりや色や加減など、目眩がするほど。
岬の空き家にひきつけられる少年、千波矢。子供の頃に出会った兄の幻と、帽子を取ってきてもらう約束をした。ある夏、空き家だった岬の家に引っ越してくる家族があった。

……って、なんですかこの恐ろしいほどのLIKEバッドエンド幕切れは?!
ええー。葵が泳げるようになって、仔犬の飼い主としてふさわしい人間になれたよ、と胸を張ってついでに帽子も返してくれて、兄もなんかこう、いい感じのメッセージを残して消えるとか、そういうエンドじゃ駄目なんですか?可能性としては大団円も充分にありえるラストではあるけれど、そこで終わる必要が何処にあったのか……、やはりバッドエンドなのか?でも、明確に何もかもが破綻して終わりというわけでもないし……。
悩む。

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