ついにシリーズ全6巻セットで購入しましたー!専用の箱入りでびっくりしました。これはとても素敵なセットですね。

『あらしのよるに』作:木村裕一、絵:あべ弘士、講談社。
一行目から仰天しました。
「ごうごうと
 たたきつけてきた。
 それは『あめ』と
 いうより、 おそいかかる
 みずのつぶたちだ」
ええー?これ絵本ですよね、と三回くらい読み直して、きっとこういう作者なのだろうと思うことに。それでもやっぱり漢字変換したら何かのハードボイルドか歴史小説だよ、と気になって仕方なかったので、わたし以外のひとにもおすそ分け。
「轟々と叩きつけてきた。それは『雨』というより襲いかかる水の粒達だ」
それ、を其れと表記したり、漢字に直せるものを全部直せばもっと凄いことに。
シビアな予感を抱えつつも読み進めます。
嵐に追われて小屋の中に逃げ込んだヤギが一匹。真っ暗なそこで嵐が通り過ぎるのを待っていると、あとから同じように嵐に追われた誰かがやってきます。あとからやってきたのは実はオオカミなのですが、ヤギは気付きません。
で、嵐が過ぎるまで呑気に世間話をしていた二人(二匹)は意気投合してともだちになります。
それはいいんだ。
なにこのハラハラドキドキの展開は!いつ相手がヤギ/オオカミと判明するかもしれないスリルとサスペンスと絶妙の透かされ具合がたまらんです。スパイ映画で敵地に侵入したとき、見つかる?見つかってしまう?ああ、あああっ、キャー!と見つかりそうで見つからない緊張感に「あ、あーっ!」と思わず声を出してしまうことがありますが、そんな感じ。実際「なー!」とか「のぁー!」とか言いながら読みました。緊張と弛緩の配分の巧みさにまんまと踊らされました。主語が違うのに会話が成立しちゃうことって現実でもありますしねー。
続き物だというのは知っていましたが、最初から「次巻に続く」ものとしてかかれたものだと思っていなかったので、ちょっと驚き。

『あるはれたひに』
お出かけの約束をした二匹がお弁当持って山のてっぺんまでハイキング。
空腹状態で、ちょっとだけならいいかな、耳だけとか……って血が出るし駄目に決まってるじゃん!と葛藤するオオカミ。
信頼してるけど命がかかっているので、どうしても大丈夫かなと心配になり、ともだちを疑うのはいけないと葛藤するヤギ。
「ヤギのけたたましいひめいが、
 どうくつのそとまでひびきわたった」
わたしの悲鳴も部屋の中にひびきわたりました。二人の友情は二巻で終わりなのー?!と慌ててページをめくって、
ラストまでにあと二回ばかり悲鳴を上げました。
木村裕一(さくしゃ)がわたしの心を弄びまくり〜。っていうか踊らされまくり〜。
後半が怒涛で気を抜けない二冊目。

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