岩井志麻子、講談社文庫。

「エッセイと呼ぶにはあまりに怖い物語」14話を収録。
ホラー作家が現実の世界で遭遇する、怖い人、面白い人、陰惨な人、陽気な人、いわく言い難い物語を持ち込んでくる「岩井志麻子のファン」たち……。
「私をモデルに小説を書くのをやめてください」「私生活を覗き見るのを(以下略)」「運命の人、だから僕と(以下略)」の三種類に大別される、明らかに電波っぱなファンをひきよせまくり、「キチガイの誘蛾灯」とまで讃えられた岩井志麻子。「岩井志麻子が嫌いだ嫌いだ殺したいと思いながら、どんな小さな記事でも読まずにはいられない、そういった人たちこそが本当のファンではないのか?」と言い出してしまう岩井志麻子。
さすがだ。
解説に人の話によると、テレビ出演した際に「好みのタイプは小太りでなんでも言うことを聞いてくれる人、デブの奴隷男が理想」と言い放ち、放送できるのか危ぶまれるほどの持ちネタを披露したとか。ものすごく見たいその番組。ワールドワイドにデンジャラス。
東京に出て、小説家としてやっていけるようになったら「わしの地べたが欲しい!」と言い出すところなんてものすごく可愛らしいのにね。
エロ話が好きで好きで仕方ない理由、を読んで、あっと思った。
「あなたがどんな性生活を送っているか言ってみたまえ。あなたがどんな人物か言って見せよう」(『発情装置』p.266)
上野千鶴子も同じことを言っていました。

語るのに必要となれば、どんな言葉でも無意味な迂回や躊躇を全くせず、ずばりと言ってのける、言葉の選択に関する直球さがたまりません。

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