バーネット著、龍口直太郎訳、新潮文庫。

フランシス・エリザ・ホジスン・バーネット、がどうもフルネームらしいです。長い。そして訳者は「たつのくちなおたろう」。ちょっと読めない。原題は「The Secret Garden」。秘密の「花」園と最初に訳したひとは素晴らしいセンスの持ち主だと思います。原題と日本語タイトル、どっちも好き。
両親を亡くし、伯父に引き取られた少女メアリー。インドにいる頃はやせっぽっちで顔色が悪く、根性の悪いつむじ曲がりでしたが、ミッセルスウェイトの伯父の屋敷で暮らすうちに心身ともに快活な健やかな少女に生まれ変わっていきます。彼女は屋敷の敷地内に、十年間秘密にされてきた花園と、彼女に知らされていなかった病弱な従兄弟を見つけ出し、

以下すばらしい春の訪れ。

この厚さで児童文学ってよく言い切ったなあ。好んで鬱展開の物語ばかりを追いかけて、そろそろハッピーエンドが恋しくなってきたところに、文句のつけようのない大団円をありがとう。さりげなくヒロインが極上ツンデレで萌えた。『ナインストーリーズ』のエズミといい勝負でもえー。
と、わたしがツンデレに目を奪われている間に、両脇に健康野外少年と病弱若様(美少年)が控えてます。なんてロマンス。
そして何故ヨークシャー訛りは謎の東北弁ですか。ヨークシャーは本当に首都に対して東北にあるんですか。これは差別だ、今すぐ撤回し謝罪するこt(以下略)。謝罪や賠償はともかく、どうして翻訳ものでは訛り=謎東北弁なんでしょう。しかもメディアを問わない謎翻訳。アメリカ南部の黒人の喋りも東北弁で表現されてたりするし。「アメリカで標準語に近い言葉を喋る首都在住者」にとって、それは本当に日本標準語を喋る人間にとっての東北弁に当たるのか。百人くらいに聞いて欲しい。東北に近い生まれだと、どうしても気になって訛り部分が上手く読めないですよ……。男女の別なく(更に言うなら多分上下もないぞこれ)使ってるのがものすごい座り悪い。関西とか九州とかじゃ駄目なんですかね?
日の出とともに起き出して、夕暮れまで働いて、満足に食事をとって、ちょっとおやつ食べて、趣味も手放さずに暮らすのが理想。でも作中内で主人公達があの生活を満喫しているのは「成長することが義務」な子供で「食事を用意してもらえる」身分だからなんだろうなーとぼやく。
カバー折り返しの映画の写真、メアリーの服が尋常でなく可愛い。
大団円で気分爽快。達成感満喫。
やけに素朴な信仰が気になる。
つむじまがりのメアリー嬢〜♪

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