高村薫、新潮社。

出版社 / 著者からの内容紹介
保守王国の崩壊を予見した壮大な政治小説、3年の歳月をかけてここに誕生!
父と子。その間に立ちはだかる壁はかくも高く険しいものなのか――。近代日本の「終わりの始まり」が露見した永田町と、周回遅れで核がらみの地域振興に手を出した青森。政治一家・福澤王国の内部で起こった造反劇は、雪降りしきる最果ての庵で、父から息子へと静かに、しかし決然と語り出される。『晴子情歌』に続く大作長編小説。

上巻読了しました。今のところ、代議士の父親と禅家の息子が、雪の降り積もる北の寺でひたすら向かい合って昔語りをするだけの話。『晴子情歌』のときも悩みましたが、こんなむやみな本、いったいどう感想を書いたらいいのか見当もつきません。なにしろわたしは現代と政治経済と生きている人間の名前と事実の羅列にまったくロマンを感じられないたちで、ひたすらにそういったものを回避した結果として典型的な「政治に無関心な若者」になってしまった人間です。父親の代議士としての語りには、まるで政治家から政治家の人生を丸々口移しで聞いてきたようなリアルを感じても、それ以前にわたしは政治家のリアルなど想像もつかないのでした。息子の出家としての話も同じです。しょうがないのでひたすら登場人物たちの、ぶあつさを楽しみました(『晴子情歌』は結局、晴子さんの語る少女期からの人生のいきいきとした姿だけを楽しんだので、今回も同じ読みかたをしている進歩のなさ)。
小和田和尚を看取る上巻ラスト付近から加速してきました。いつものようにジェットコースターな内容の下巻が待っていると思うととても楽しみです。

家にある『小説吉田学校』や『大宰相』は読んだほうがいいのかしらん。

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