小谷野敦、ちくま新書。

童貞であること、もてない苦しみ、恋愛弱者の定義、近代の恋愛教の洗脳、などを「もてない男」の視点から論じた本。まじめな手続きで論証しながら作者が愉快に語る内容は、爆笑必至なり。

再読。
この手の本は一般向けに妙にセンセーショナルな売り方をすることがあります。この本も、表紙にある引用文や各回のタイトルを見ていると、巷にあふれる恋愛の本と勘違いしそうになります。が、よく見ると全く違い、比較文学から文化論、セクシュアリティおよびフェミニズムについてと、幅広くアカデミックな内容なのです。
そこら辺を見落として読んだ初回は、売り方から期待されるイメージと一致しない内容に「タイトルと全然違う本だねー、微妙」で済ませてしまったのですが、今回はちゃんと読みました。読めました。
妾の機能、定義に関する考察が面白かったです。そういえば家族法を専攻した「家族」大好きな知り合いの本棚には、家族や夫婦について制度や文化から論じた本はたくさんあったけれど、妾について論じている本は見なかったわー。日本には長い長い妾の歴史があるのだから、研究本を読むのも楽しげです。
「もてない男だから、もてない男について書く、女については女が書いてくれ」と(言う割にはときどきぽろりと迂闊な発言をしていたりしますが)、もてない男の視点に徹して書いているのが良心的に感じられていいですな。
さくっと読める厚さで、とても読みやすい。おすすめ。

ノートパソコンの画面があまりに見づらくて、自分が何を書いているのかいまいち掴めません。すごい文章になっていても見逃してください。

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