『メルクリウスプリティ 錬金術師の憂鬱』
2006年2月4日 読書苑崎透、電撃文庫。同名ゲームのノベライズ。
昔むかあし、この本の持ち主に「ここが面白いよ!」と見せてもらった部分がとてもつまらなかったので、全編そういう雰囲気だったらたまらんわと勘違いして敬遠しておりました。予想とだいぶ違っておりました。食わず嫌いはよくないことを実感しました。
しかし開いてびっくりしたのが、ルビの多さ。なんかもう真っ黒じゃないですか。この真っ黒さには見覚えがあるぞと思いつつ読んでいたら、始まってしばらく「古橋秀行っぽい文章で神坂一のネタを書いてみる」というハイブリッドに複雑骨折な文章が続いて生ぬるい笑みが浮かびました。奥付は1997年4月発行。カバー折り返しの内容紹介も、ああいかにも1997年という時代を感じさせてこっ恥ずかしいですね!恥ずかしいのは自分の若かりしころであってこの本のことではありませんけどね!
うっかりエキサイトしてしまいまいた。そんな前半を通過して、悪魔主義者の友人が登場するあたりからは、借り物ではない作者の文章が流暢に盛り上がっていい感じ。
「なんでもなあ、プラトンの『笑いについて』と交換だったらしいぜ」
(中略)
かつてその数少ない写本の存在が、アレクサンドリアさえかすむ世界最大の図書館を焼失させる原因にさえなった。だが、改革派が盛んな現在、その異端性になんの意味があるのか。
オタクって自分が好きなもののためなら、ジャンルという目に見えない垣根を飛び越えていくどころか、サブカルも純文学も文化論も宗教論も歴史もおかまいなしに自分の趣味の名の下に統合してしまうおそろしい生き物ですよね。うむ、だがそれがいい。それでなくてはオタク読書の楽しみなどない。
わがまま放題振り回し型ヒロインと、巻き込まれ主人公が好きな人は楽しめるのではないかと思われます。ああ面白かった。
イラストの人はなにゆえに「美形」と指摘のある狂信者をあんな顔に書いたのだろうか。美形?
昔むかあし、この本の持ち主に「ここが面白いよ!」と見せてもらった部分がとてもつまらなかったので、全編そういう雰囲気だったらたまらんわと勘違いして敬遠しておりました。予想とだいぶ違っておりました。食わず嫌いはよくないことを実感しました。
しかし開いてびっくりしたのが、ルビの多さ。なんかもう真っ黒じゃないですか。この真っ黒さには見覚えがあるぞと思いつつ読んでいたら、始まってしばらく「古橋秀行っぽい文章で神坂一のネタを書いてみる」というハイブリッドに複雑骨折な文章が続いて生ぬるい笑みが浮かびました。奥付は1997年4月発行。カバー折り返しの内容紹介も、ああいかにも1997年という時代を感じさせてこっ恥ずかしいですね!恥ずかしいのは自分の若かりしころであってこの本のことではありませんけどね!
うっかりエキサイトしてしまいまいた。そんな前半を通過して、悪魔主義者の友人が登場するあたりからは、借り物ではない作者の文章が流暢に盛り上がっていい感じ。
「なんでもなあ、プラトンの『笑いについて』と交換だったらしいぜ」
(中略)
かつてその数少ない写本の存在が、アレクサンドリアさえかすむ世界最大の図書館を焼失させる原因にさえなった。だが、改革派が盛んな現在、その異端性になんの意味があるのか。
オタクって自分が好きなもののためなら、ジャンルという目に見えない垣根を飛び越えていくどころか、サブカルも純文学も文化論も宗教論も歴史もおかまいなしに自分の趣味の名の下に統合してしまうおそろしい生き物ですよね。うむ、だがそれがいい。それでなくてはオタク読書の楽しみなどない。
わがまま放題振り回し型ヒロインと、巻き込まれ主人公が好きな人は楽しめるのではないかと思われます。ああ面白かった。
イラストの人はなにゆえに「美形」と指摘のある狂信者をあんな顔に書いたのだろうか。美形?
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