『邪魅の雫』

2006年10月1日 読書
京極夏彦、講談社ノベルス。

遅れに遅れ、嘘予告まで打たれた新刊、ついに出ましたね。買いました。読みました。
あんまり地味で驚きました。
いつもはどの線がどの事件につながるのかすらわからず、事件の構築すなわち解体の手続きなんですが、今回は割りと最初から追う線がひとつに絞られていて、解体にカタルシスが薄いというか、そもそも再構築してないような気がするんですが。
益田・青木のサブメンバーがずーーーーっと出張って、ひたすら調査・捜査にあけくれているのがまた一段と地味な感じを演出しています。
新しいレギュラー候補もいなさそうだったし。

関口が榎木津に詰め寄ったり、容疑者にならなかったり、榎木津が事件を破壊しないでまともな行動取ったりと、登場人物が少しずつ変わってきているのが気になるなあ。
わたしの中では『塗仏』で「第一部・完」なんですが、あながち間違ってもいないようなー。

以下ネタバレ。
もし、××××が、最初に探偵に相談していたら、それこそ「百器」のごとく例の面子総出で××××を痛快に嵌め殺してくれたのではないかと想像すると、逆にその大団円じゃシリーズ終わってしまうからこその連続殺人事件なのかもしれません。
うん、そんな気がします。

今回気になった点。
「たまえ」が全部「賜え」になっていたこと。「給え」のほうが好きなんだー、っていうか「賜」という字からは問答無用で「恩賜」が連想されてしまうので、どんだけ偉いんだと気になって仕方ありません。
あと、あろうことか「いまだ」が全部「今だ」になっていたこと……。ありえない!いったいどうしちゃったのか!

益田・青木株急上昇。

あ、この日記フォントカラー指定、青と赤しか使えないのね。せっかくネタバレを背景色反転やってみたかったのにー。

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