『月光とアムネジア』
2006年11月4日 読書牧野修、ハヤカワ文庫。
牧野修の書く小説が、やたらにやわらかそうなのは、単に、グロテスクな肉塊や化け物や何者か得体も知れぬ腐った代物が多く登場するからというだけではなく、主人公たちや「わたし」がごく簡単に(多くの場合、言葉につられて)変容してしまうからなのであろうなあとようやく思い至りました。
しかしこれって見事なクローズドサークルテーマですよね。外部とは連絡の取れない環境で、顔も姿もわからない「月光夜」を探し出して捕獲する任務。の、はずが、じょじょに数を減らしてゆく面子、紛れ込んでいるらしいスパイ。3時間ごとにリセットされる記憶。その間の事柄を記録したメモリーカードの破壊。
この中に月光夜がいる?
いるんだろうなあ、いるなあ。しかし予断を許さぬ<レーテ>内の極悪な環境は、月光夜どころか生存すら覚束ない地獄のありさまであったのでした。
のっけから、
吹いた。
いったいどんな日本なんだろうとか、そのネーミングはどうなのよとか、何処から突っ込んでいいかわからないレベルで世界観を堂々と披露されて、もはや吹き出すしかなかった。
パソコンとキーボードが無事でよかったです。
やわらかいやわらかい連呼しましたが、残酷描写は相変わらずだし、今回はちょっと固めな印象でした。
『傀儡后』がライトノベルばりのきらきらしい表紙絵をつけられて文庫化していたことに驚愕した。
牧野修の書く小説が、やたらにやわらかそうなのは、単に、グロテスクな肉塊や化け物や何者か得体も知れぬ腐った代物が多く登場するからというだけではなく、主人公たちや「わたし」がごく簡単に(多くの場合、言葉につられて)変容してしまうからなのであろうなあとようやく思い至りました。
しかしこれって見事なクローズドサークルテーマですよね。外部とは連絡の取れない環境で、顔も姿もわからない「月光夜」を探し出して捕獲する任務。の、はずが、じょじょに数を減らしてゆく面子、紛れ込んでいるらしいスパイ。3時間ごとにリセットされる記憶。その間の事柄を記録したメモリーカードの破壊。
この中に月光夜がいる?
いるんだろうなあ、いるなあ。しかし予断を許さぬ<レーテ>内の極悪な環境は、月光夜どころか生存すら覚束ない地獄のありさまであったのでした。
のっけから、
アガタ原中県は関の西側四県の中では最も富んだ県である。というのは、アガタ原中県には特産品の<ゆずす飯>があったからだ。<ゆずす飯>は原中地方特産のツマゴロシ虫と、アガタ原中県でしか採れない鉱物酢<ずむ酢>を使ってつくられる特殊な名産品だ。
<ゆずす飯>を常食とする兵士は、無敵で不死身の<ゆずす兵>となる。従って国内での<ゆずす飯>の需要は高く、高額で取引されていた。
吹いた。
いったいどんな日本なんだろうとか、そのネーミングはどうなのよとか、何処から突っ込んでいいかわからないレベルで世界観を堂々と披露されて、もはや吹き出すしかなかった。
パソコンとキーボードが無事でよかったです。
やわらかいやわらかい連呼しましたが、残酷描写は相変わらずだし、今回はちょっと固めな印象でした。
『傀儡后』がライトノベルばりのきらきらしい表紙絵をつけられて文庫化していたことに驚愕した。
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