浅井ラボ、角川スニーカー文庫

かなーり前からかなーり気になっていたのですが、なんとなく手をつけそびれていた「され竜」買ってきました、そして読みました。

作中作引用をのぞく開始1行目から嫌な既視感。あ、きしかん一発変換で出ないんですね。
この「號っ!」ってなんか見たことあるどこかで確かに見た。なんだろう、と首を傾げつつ読み進めて、11行目の

「銀嶺氷凍結息っ!」

で死ぬかと思いました。
太字の強調でそれはない。
嫌な冷や汗よりも壮絶な恥ずかしさに本を放り出して悶絶したのは本当です。
「こ、これは……っ」と声にならない声が、むしろ脳内に文字で浮かびました。
なんで恥ずかしいかは過去の自分に尋ねるといいですよ。わからないひとは幸せな、清らかな人生を歩んできたのですね。ねちねちと自分設定をノートに(これ大事。あくまでノート。あくまで手書き)細密に偏執的に膨大に書き連ねていた人は、まず間違いなくわたしと同じ恥ずかしさを味わったと確信します。
壮絶な恥ずかしさに耐えて読書に復帰したところで思い出したんですが、この「號」一文字を捕らえてマイノリティと誇りと挫折について読書感想文を仕立てたサイトさんがありましたね。今探しに行ったらもうなかったのでものすごく残念です。せっかくこうして小説本体を読むことができたのに、あの素晴らしいネタ感想文をもう読むことができないなんて! 残念至極であります。

そしてその後に続く過剰そのものな戦闘の描写にがっちりハートをキャッチされました。うわーい。趣味がもろばれー。
こういう無駄に過剰でみっしりなテキスト大好き。
次の章の冒頭の列車通勤風景もそれはもう素敵。完全な中世ヨーロッパ風ファンタジーかと思ってたら妙に現代っぽく予想を裏切られました好き。
ここからはもうにやにやしながら既にのめりこんでおりました。まる。
猊下超いいよ根性捻じ曲がった眼鏡権力者がお茶目だとご飯がすすみます。
ニドヴォルクも好みのタイプで大変嬉しい。
あと、椅子。椅子、椅子?!
椅子なんだ……。

最近、ファンタジーを読んでるはずなのに、売り浴びせだのトリニトロトルエン通称TNTだの、なんだか予想もつかない単語が飛び交う本ばかり読んでますとても幸せです。
このやりたい放題具合がとても好ましい。
あと、久しぶりに常用外っぽい漢字を乱発・登録したので、投稿した後に派手に文字化けしていないかちょっぴり心配です。

わたしなんでこんなにテンション高く熱くキーボードを叩いているのだろう……。
愛か、愛なのか。

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