ファミ通文庫、田尾典丈

やたら上手い。文章もこなれてて構成もきっちりしてるので、新人?デビュー作?マジ?と思ったらゲーム業界で仕事してる人でした。さもありなん。
最近、エロゲをはじめとするゲームのシナリオライターのラノベ参入がすごい多いなー。
ギャルゲの世界・設定を現実にやったらどうなるの?→そりゃ無茶なことになるに決まってる、という話。
投影された設定と現実の間で起こる矛盾や齟齬に突っ込んでくメタ系展開かと思ったら、現実によって侵食されたシナリオ展開をハッピーエンドに持っていくべく(平凡な)主人公が力いっぱい努力する話だった。
ラノベを読んでいると言うより、「ギャルゲを現実に投影しちゃったという設定のギャルゲをプレイしてる」という気がします。小説の中で更に分岐がありそうな、このラストもルートのひとつに過ぎないと言うような。
何せ攻略対象が姉・妹・幼馴染・学園アイドル・転校生と5人もいるのに一本シナリオで1冊中に全員攻略という状況なのでいろいろはしょられてる部分もありますが、スピーディーで悪くない。個人的にはもうちょっと丁寧にして欲しいですが、だらける可能性も否めないのでこれはこれが最善手かしらん。
各キャラの個別ルートがありきたりすぎて吹いた。

ゲーム内で描写されていない部分でもシナリオが進行していたり、現実にねーよという設定がスルーされなかったりと、二次元を三次元に持ち込んだら食い合うよ、むしろ現実に食い殺されるよ、というあたりの描写が非常にスリルに満ちていてよかった。
逆に言えば、それ以外はお手本のようなハーレム系ギャルゲ展開&熱血ラノベ展開だったので、えぐい趣味の持ち主には物足りない。二冊目発売に合わせて接収したので次行ってみよう。

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