京極夏彦、ぴあ。
「きょうごくばなしだいほんしゅう」と読みます。「りくぎしゅう」だと思ってました……。それにしても新作古典って変な言葉ですね。
古典芸能のために京極夏彦が書いた新作台本を一冊にまとめたもの。オリジナル台本と上演台本、茂山狂言に関するインタビューそのほかを収録。
狂言「豆腐小僧」
狂言「狐狗狸噺」
狂言「新・死に神」
落語「死に神remix」
特別収録で「講談巷説百物語」が入ってます。
がちがちの正統派ではなく、時事ネタも取り込んだ新発想の台本で、さっくり読めます。といってもこれは本来読むものじゃなくて舞台を見て楽しむものなんでしょうね……。落語「死神」を春風亭小朝がやったなんてそんな殺生な!当時学生の身分しかも地方都市在住だったわたしには涙を飲むしかなかったわけで、いいなーいいなー!(暴れてないで今後のために調べてきます)。
「豆腐小僧」を読んだ覚えがあるなと思っていたら、『豆腐』の豆本でしたそういえば。通称薬味。あんまり小さいので読みにくくて途中放棄していたのでした。こんなオチだったのか……。それよりも、狂言にまでシステム的な話を持ち込むなんて、ということのほうが気になって、わたしもしかして笑い所ではないところで笑っている?
歴史文化に関する知識がさっぱりないもので、狂言と落語がどんな関係にあるのかわかりませんが「同じネタは3回までだ!」と突っ込みたくなる繰り返しネタなどの細かいポイントはようく似ていますね。落語「死神」を二人でやったらコントなんだろうなあ。それにしても、全編にどすこいの香り漂うこの語り口。作者不詳でも一発でわかりますねきっと。
個人的にはあんまり時事ネタ取り込むのは好きじゃないんですが、生きている芸能としては時事ネタあって当然なんですよね。古くなったら時事ネタの部分はどんどん書き換えられていくわけで。いっときのブームでなく「生きている伝統芸能」の復活目指して頑張って欲しいものです。先に小説書いてから。『邪魅』年内は信じていいんですよね?今秋って公式アナウンス出たみたいですけど。
毎回装丁が凝ってて楽しい、新刊を買う喜び。表紙のこのつやっとして盛り上がってる部分はなんと言うのでしょう。狂言台本のページ左下にぱらぱら漫画みたいな小さいイラストがあって、やけにかわいらしいです。
全体を通して一番突っ込みたかったのは、「なんで小豆洗いのあのひとが百介って名乗ってるんですか?」ってところでしょうか。又市でしょ又市!なんで先生名乗ってるのこの小股潜りは!思わずエキサイトしちゃいました。だって「百介」であのオチはひどいですよ……。又市さんなら酷くないかというとそんなことはないんですが。脳内でちゃんといつもの面子に変換されてた自分えらい。
「きょうごくばなしだいほんしゅう」と読みます。「りくぎしゅう」だと思ってました……。それにしても新作古典って変な言葉ですね。
古典芸能のために京極夏彦が書いた新作台本を一冊にまとめたもの。オリジナル台本と上演台本、茂山狂言に関するインタビューそのほかを収録。
狂言「豆腐小僧」
狂言「狐狗狸噺」
狂言「新・死に神」
落語「死に神remix」
特別収録で「講談巷説百物語」が入ってます。
がちがちの正統派ではなく、時事ネタも取り込んだ新発想の台本で、さっくり読めます。といってもこれは本来読むものじゃなくて舞台を見て楽しむものなんでしょうね……。落語「死神」を春風亭小朝がやったなんてそんな殺生な!当時学生の身分しかも地方都市在住だったわたしには涙を飲むしかなかったわけで、いいなーいいなー!(暴れてないで今後のために調べてきます)。
「豆腐小僧」を読んだ覚えがあるなと思っていたら、『豆腐』の豆本でしたそういえば。通称薬味。あんまり小さいので読みにくくて途中放棄していたのでした。こんなオチだったのか……。それよりも、狂言にまでシステム的な話を持ち込むなんて、ということのほうが気になって、わたしもしかして笑い所ではないところで笑っている?
歴史文化に関する知識がさっぱりないもので、狂言と落語がどんな関係にあるのかわかりませんが「同じネタは3回までだ!」と突っ込みたくなる繰り返しネタなどの細かいポイントはようく似ていますね。落語「死神」を二人でやったらコントなんだろうなあ。それにしても、全編にどすこいの香り漂うこの語り口。作者不詳でも一発でわかりますねきっと。
個人的にはあんまり時事ネタ取り込むのは好きじゃないんですが、生きている芸能としては時事ネタあって当然なんですよね。古くなったら時事ネタの部分はどんどん書き換えられていくわけで。いっときのブームでなく「生きている伝統芸能」の復活目指して頑張って欲しいものです。先に小説書いてから。『邪魅』年内は信じていいんですよね?今秋って公式アナウンス出たみたいですけど。
毎回装丁が凝ってて楽しい、新刊を買う喜び。表紙のこのつやっとして盛り上がってる部分はなんと言うのでしょう。狂言台本のページ左下にぱらぱら漫画みたいな小さいイラストがあって、やけにかわいらしいです。
全体を通して一番突っ込みたかったのは、「なんで小豆洗いのあのひとが百介って名乗ってるんですか?」ってところでしょうか。又市でしょ又市!なんで先生名乗ってるのこの小股潜りは!思わずエキサイトしちゃいました。だって「百介」であのオチはひどいですよ……。又市さんなら酷くないかというとそんなことはないんですが。脳内でちゃんといつもの面子に変換されてた自分えらい。
長野まゆみ、文春文庫。
文庫になったので購入。読むの3回目です。
主人公と北浦・賢彦の関係がごく普通の「友情」なのがいい、という趣旨の感想を見て、なるほどと膝を打ちました。確かに、少年と父親、少年と友人、少年と級友、少年と教師。どこを取っても少年とおおよそ一般的な関係者ですね。長野初心者にもすすめやすい一冊です。
岬は「友だち」ということの重さを知り、父親の過去に触れたけれど、結局北浦と賢彦の間はすれ違いのまま終わっているのですよね。合図の笛は確かに鳴ったのに、北浦に会えずに去っていく賢彦可哀相……。その昔にもすれ違ったのかどうなのかはわからないけれど、どうにも不憫です。
何度読んでも食べ物が美味しそうな本だ。父親の書く文章はどんな文章なんだろう。
文庫になったので購入。読むの3回目です。
主人公と北浦・賢彦の関係がごく普通の「友情」なのがいい、という趣旨の感想を見て、なるほどと膝を打ちました。確かに、少年と父親、少年と友人、少年と級友、少年と教師。どこを取っても少年とおおよそ一般的な関係者ですね。長野初心者にもすすめやすい一冊です。
岬は「友だち」ということの重さを知り、父親の過去に触れたけれど、結局北浦と賢彦の間はすれ違いのまま終わっているのですよね。合図の笛は確かに鳴ったのに、北浦に会えずに去っていく賢彦可哀相……。その昔にもすれ違ったのかどうなのかはわからないけれど、どうにも不憫です。
何度読んでも食べ物が美味しそうな本だ。父親の書く文章はどんな文章なんだろう。
『ビートのディシプリンSIDE4』
2005年8月23日 未分類上遠野浩平、電撃文庫。
ようやく完結。帯の「上遠野浩平の人気シリーズ、遂に完結!」という煽りを見て「はっ?ブギーポップ完結したの?」と思ってしまったうっかりさんは全国で3人以上いると思います。少なくとも一人、わたしがいます。内容は全然完結していなくて(目次をご覧下さい。ラストに「序章」の二文字が)、おそろしい引きで終わっています。
戦う少年の成長物語だと思っていたら、なんですかこの変則ボーイミーツガールは!甘酸っぱくも気はずかしいラブな空気にぎゃっと叫んで本を取り落としてしまいました。そういえばずっと朝子はビートを追っかけてたんだっけ……。いやほんと何このラブい空気。しかも最強ヒロインと手を携えたことによって最強コンビ誕生ですよ。なんかもうがんがれ超がんがれ。
相変わらずなんでもないことを「謎」あるいは「秘密」として引っ張る手法がものすごく目立ちます。カーメンとかスリーオブパーフェクトペアーとか。今回新しく登場したアルケーとヴァルプも、きっとわかってみればなんてことのない謎なんだろうなあ。その「わかってみればなんてことのない」謎を、てんで見当のつかないレベルにまで持ち上げて、登場人物を振り回す中心にする手際が素晴らしいですね。「カーメン」だけで4冊。登場人物と読者をひとつの言葉だけで4冊引きずり回す上遠野浩平おそるべし。
正直言うと、引っ張られすぎて前巻までの内容うろ覚えですけどね!ていうかカーメンがどういう概念なのかついに理解できなかった……。
フォルテッシモがリキティキを攻撃した瞬間、わたしの中ではぴきーん!という効果音とともにフォルテッシモ=きんぴか互換が起こり、そのあとずっとフォルテッシモがぱちんと指鳴らして空間断裂ゲートオブバ(ネタバレにつき略)。油断属性まで一緒だよこの二人!とラストまで笑いが止まりませんでした。こうなると特殊能力持ちのステータス表がすごく欲しい。「これだ誰だっけ?」という悩みを一挙に解決してくれそう。人物相関図くらいなら、辛うじて探せばありそうだけど……。登場人物が総勢どれくらいいるのか見当もつきません。
イマズマと直死は似たような能力なのに、日常生活での利便性がまったく違って、その差異が面白いのですが、これについて詳しく述べたら何か壮大な誤解を受けそうなのでやめておきます。既に手遅れのような気がしないでもない。
ようやく完結。帯の「上遠野浩平の人気シリーズ、遂に完結!」という煽りを見て「はっ?ブギーポップ完結したの?」と思ってしまったうっかりさんは全国で3人以上いると思います。少なくとも一人、わたしがいます。内容は全然完結していなくて(目次をご覧下さい。ラストに「序章」の二文字が)、おそろしい引きで終わっています。
戦う少年の成長物語だと思っていたら、なんですかこの変則ボーイミーツガールは!甘酸っぱくも気はずかしいラブな空気にぎゃっと叫んで本を取り落としてしまいました。そういえばずっと朝子はビートを追っかけてたんだっけ……。いやほんと何このラブい空気。しかも最強ヒロインと手を携えたことによって最強コンビ誕生ですよ。なんかもうがんがれ超がんがれ。
相変わらずなんでもないことを「謎」あるいは「秘密」として引っ張る手法がものすごく目立ちます。カーメンとかスリーオブパーフェクトペアーとか。今回新しく登場したアルケーとヴァルプも、きっとわかってみればなんてことのない謎なんだろうなあ。その「わかってみればなんてことのない」謎を、てんで見当のつかないレベルにまで持ち上げて、登場人物を振り回す中心にする手際が素晴らしいですね。「カーメン」だけで4冊。登場人物と読者をひとつの言葉だけで4冊引きずり回す上遠野浩平おそるべし。
正直言うと、引っ張られすぎて前巻までの内容うろ覚えですけどね!ていうかカーメンがどういう概念なのかついに理解できなかった……。
フォルテッシモがリキティキを攻撃した瞬間、わたしの中ではぴきーん!という効果音とともにフォルテッシモ=きんぴか互換が起こり、そのあとずっとフォルテッシモがぱちんと指鳴らして空間断裂ゲートオブバ(ネタバレにつき略)。油断属性まで一緒だよこの二人!とラストまで笑いが止まりませんでした。こうなると特殊能力持ちのステータス表がすごく欲しい。「これだ誰だっけ?」という悩みを一挙に解決してくれそう。人物相関図くらいなら、辛うじて探せばありそうだけど……。登場人物が総勢どれくらいいるのか見当もつきません。
イマズマと直死は似たような能力なのに、日常生活での利便性がまったく違って、その差異が面白いのですが、これについて詳しく述べたら何か壮大な誤解を受けそうなのでやめておきます。既に手遅れのような気がしないでもない。
『ラヴクラフト全集2』
2005年8月22日 未分類 コメント (1)H・P・ラヴクラフト、宇野利泰訳、創元推理文庫。
「クトゥルフの呼び声」
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」
古い事件に興味を持つ→その辺に血縁がいる→事件の調査を通して暗黒に肉薄→人生まっくら、のパターンが多いですね。遭遇すればすなわち病院行き。SAN値というシステムを考え出した人は本気で天才じゃないかと思う。
「永遠の憩いにやすらぐを見て、死せる者と呼ぶなかれ
果て知らぬ時ののちには、死もまた死ぬる定めなれば」
おおおおおお!これですよこれ!カッコいい……ラヴクラフトが幻想文学に分類されているのは、内容もさることながらこの美しい文体にもあるのではないか。調べたところによると原文は、
「That is not dead which can eternal lie.
And with strange aeons even death may die.」
ときめく。
個人的には「久遠に臥したるもの死する事なく、怪異なる永劫の内には死すら終焉を迎えん」が一番しっくりくるかなあ。わたしの脳内では「死すら終焉を迎えん」よりは「死すら死に絶えん」のほうが語呂がいいんじゃないかしら、など好きな訳を継ぎ合わせた脳内フレーズができあがっております。
1巻と2巻で訳者が違うせいか、2巻は文章がやや地味な感じです。1巻はゴシックの荘重華麗さをこれでもかと惜しみなく見せてもらいました。尖鋭で華やか。一文が長くてだらだら読んでいると意味が取れなかったりします。2巻は地味な分読みやすいですが、それでも昔栄えた港、貨幣の名前をつけられた通り、立ち並ぶ商店の掲げた看板の塗り跡。光の落ちてくる街のたたずまいの描写など、稀に見る美文です。訳の差異を確認しようと思って1巻と2巻を並べて開いたら、なぜかフォントが違っていました。2巻のほうが文字が小さくて読みにくいです。統一しなかった理由がわからない。
「エーリッヒ・ツァンの音楽」は昔々に読んだことがあります。小学生くらいの頃じゃないかしら。アンソロジー形式の本で読んだのですが、一緒に収録されている前後の話より格段に難しく、知らない言葉が沢山出てきたので、これは理解できないとあきらめた記憶が今もはっきり残っています(多分子供向けの世界恐怖文学なんとかという類の選集で読んだのではないかと。レ・ファニュの「白い手」の話と、ポーの「黒猫」と、あとは知らない著者の「緑の目の白い猫」が出てくる話が入ってるシリーズでした。なつかしい、そして気になる。正式なタイトルが解ればもう一度読みたいシリーズです)。大人になって読み直してみた感想は、地図で探した見たけれどオーゼイユという街は見つけられなかった、というのが非常にいい。怪異との遭遇が回想として語られるのですが、なんとなくラヴクラフトらしくなくてロマンチックな気がするのです。昔映画で見たアリスや探偵を思い出します。あと、子供の頃の自分が間違いなく理解できていたことが再確認されて嬉しかったです。内容は理解していても、面白さがわからなかった辺りは未熟者。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」
何かに似ている、この語感はどこかで……としばらく悩んでからはたと気付きました。そこに積んであるそれ。『ジョジョの奇妙な冒険』と構造・成分ともに全く同じじゃないですか。聞いたような覚えがるのも当然でした。日本で映画が封切られたときのタイトルのセンスのなさが腹筋よじれるほどおかしいです。「怪談呪いの霊魂」って。怪談……。
読み手には何が起こっているのか一目瞭然、登場自分たちにとっては奇怪極まりない事件を書くのが非常にうまい。外から眺めただけでは理解不能な現象が少しずつ繋がって、これ以上ない明白な真相にたどりつくけれど、それは読み手にとってだけ明白で、登場人物にはほとんど明かされない真実ばかり。「それしかないこと」が認めることもできないほど忌まわしく恐怖に満ちていた場合、人は認識理解を拒否するのです。唯一の長編ということですが、他に長編がないのがとても惜しいできばえ。
「クトゥルフの呼び声」
「エーリッヒ・ツァンの音楽」
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」
古い事件に興味を持つ→その辺に血縁がいる→事件の調査を通して暗黒に肉薄→人生まっくら、のパターンが多いですね。遭遇すればすなわち病院行き。SAN値というシステムを考え出した人は本気で天才じゃないかと思う。
「永遠の憩いにやすらぐを見て、死せる者と呼ぶなかれ
果て知らぬ時ののちには、死もまた死ぬる定めなれば」
おおおおおお!これですよこれ!カッコいい……ラヴクラフトが幻想文学に分類されているのは、内容もさることながらこの美しい文体にもあるのではないか。調べたところによると原文は、
「That is not dead which can eternal lie.
And with strange aeons even death may die.」
ときめく。
個人的には「久遠に臥したるもの死する事なく、怪異なる永劫の内には死すら終焉を迎えん」が一番しっくりくるかなあ。わたしの脳内では「死すら終焉を迎えん」よりは「死すら死に絶えん」のほうが語呂がいいんじゃないかしら、など好きな訳を継ぎ合わせた脳内フレーズができあがっております。
1巻と2巻で訳者が違うせいか、2巻は文章がやや地味な感じです。1巻はゴシックの荘重華麗さをこれでもかと惜しみなく見せてもらいました。尖鋭で華やか。一文が長くてだらだら読んでいると意味が取れなかったりします。2巻は地味な分読みやすいですが、それでも昔栄えた港、貨幣の名前をつけられた通り、立ち並ぶ商店の掲げた看板の塗り跡。光の落ちてくる街のたたずまいの描写など、稀に見る美文です。訳の差異を確認しようと思って1巻と2巻を並べて開いたら、なぜかフォントが違っていました。2巻のほうが文字が小さくて読みにくいです。統一しなかった理由がわからない。
「エーリッヒ・ツァンの音楽」は昔々に読んだことがあります。小学生くらいの頃じゃないかしら。アンソロジー形式の本で読んだのですが、一緒に収録されている前後の話より格段に難しく、知らない言葉が沢山出てきたので、これは理解できないとあきらめた記憶が今もはっきり残っています(多分子供向けの世界恐怖文学なんとかという類の選集で読んだのではないかと。レ・ファニュの「白い手」の話と、ポーの「黒猫」と、あとは知らない著者の「緑の目の白い猫」が出てくる話が入ってるシリーズでした。なつかしい、そして気になる。正式なタイトルが解ればもう一度読みたいシリーズです)。大人になって読み直してみた感想は、地図で探した見たけれどオーゼイユという街は見つけられなかった、というのが非常にいい。怪異との遭遇が回想として語られるのですが、なんとなくラヴクラフトらしくなくてロマンチックな気がするのです。昔映画で見たアリスや探偵を思い出します。あと、子供の頃の自分が間違いなく理解できていたことが再確認されて嬉しかったです。内容は理解していても、面白さがわからなかった辺りは未熟者。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」
何かに似ている、この語感はどこかで……としばらく悩んでからはたと気付きました。そこに積んであるそれ。『ジョジョの奇妙な冒険』と構造・成分ともに全く同じじゃないですか。聞いたような覚えがるのも当然でした。日本で映画が封切られたときのタイトルのセンスのなさが腹筋よじれるほどおかしいです。「怪談呪いの霊魂」って。怪談……。
読み手には何が起こっているのか一目瞭然、登場自分たちにとっては奇怪極まりない事件を書くのが非常にうまい。外から眺めただけでは理解不能な現象が少しずつ繋がって、これ以上ない明白な真相にたどりつくけれど、それは読み手にとってだけ明白で、登場人物にはほとんど明かされない真実ばかり。「それしかないこと」が認めることもできないほど忌まわしく恐怖に満ちていた場合、人は認識理解を拒否するのです。唯一の長編ということですが、他に長編がないのがとても惜しいできばえ。
『ラヴクラフト全集1』
2005年8月17日 未分類H・P・ラヴクラフト、大西尹明訳、創元推理文庫。
文庫でラヴクラフトの全集が揃えられるなんて創元推理はなんて素敵な文庫をつくったのだろう!ばんざーい、ばんざーい!我が家にくとぅるーちゃんとにゃる様がやってくるよー!
と、大喜びで家主に自慢。常日頃からSAN値が激減などというネタを振っている家主なので、当然読んでいるものと決め込んでいたら、なんと読んでいないという。えええー!だまされた!クトゥルフ話が通じてTRPGの存在を知っていて、PS2版のデモンベインを購入する人間の中で原作を読んでいない不届き者なんてわたしくらいだと思っていたのに!
くとぅるふちゃんからお手紙着いた、読んでもないのにSAN値が激減〜♪
それはさておき。作者の名前、つづりが「LOVE」craftだったんですね。luvとかlavとかlovとか色々予想していましたが、loveだけはないと思っていたので思わず吹き出してしまいました。愛クラフトさん。
「インスマウスの影」
「壁のなかの鼠」
「死体安置所にて」
「闇に囁くもの」
4本収録。「インスマウス」は読んだことがないのに粗筋をざっと知っていました。やはり有名なのだなあ。なんというか、ホラー系のゲームでありそう、命がけ鬼ごっこ。まず部屋から脱出して、追っ手に捕まらないようにアイテムなどを駆使しながら街の外へと逃げ出すのが最終目的。追っ手は視力が弱いので、離れた場所で敵視界を横切る際は歩いていかないと駄目なんですよ。走っちゃうと正体がばれてみんなが一斉にこっちくるの。でも、歩くのは移動速度が遅いから、見つかったときは走らないとあっというまに捕まっちゃったり。ディープワンズと命がけ鬼ごっこアクション。装備品は懐中電灯、システムで地図を参照しながら、刻々と変化する状況を読みつつダッシュ大脱出!そんな妄想。
「死体安置所」も何処かで読んだことがあるような気がするんですが思い出せません。前半が非常にホラーなので、びくびくしながら読んだら、強烈なブラックジョークでした。引っ張って引っ張って、最後に明らかにする(落とす)文章書くのが上手いなあ。
散々あちらこちらでエピソードだけつまみぐいしてから原典に臨むと、なんだか拍子抜けするようなことがありますね。デモンベインのインスマウスのエピソードが、小説ほとんどそのままでびっくりだ。
この訳では「ニャルラホトテプ」表記ですが、わたしが最初に遭遇した訳は「ナイアルラホテップ」でした。雑誌ムーか何かで目にしたのが最初かなあ。家の中にある活字を片っ端から読んでいたときのことで、そのときわたしは何故かにゃる様を「エジプトの神様」だと思っていました。ホルス神と並んでる女神ってそんな名前でしたっけ……?たぐいまれな混同。菊地秀之は「ヨグソトース」表記ですよね。たしか。あちらこちらで見た訳がごっちゃになっているようです。あの発音不可能な単語の数々をどう表記するかが、クトゥルフをどの出版社で読むか選ぶときの大事なポイントでした。いいものをすすめてもらってとても嬉しい。人生の先達よ。
内容に余り関係ない感想ですが、猫の「くろすけ」は英語原文ではなんと呼ばれていたのでしょうか。日本語の黒すけに当たる英単語……気になる。ジャスコの看板にある「AEON」があいおーんに見えてきたどうしよう。
文庫でラヴクラフトの全集が揃えられるなんて創元推理はなんて素敵な文庫をつくったのだろう!ばんざーい、ばんざーい!我が家にくとぅるーちゃんとにゃる様がやってくるよー!
と、大喜びで家主に自慢。常日頃からSAN値が激減などというネタを振っている家主なので、当然読んでいるものと決め込んでいたら、なんと読んでいないという。えええー!だまされた!クトゥルフ話が通じてTRPGの存在を知っていて、PS2版のデモンベインを購入する人間の中で原作を読んでいない不届き者なんてわたしくらいだと思っていたのに!
くとぅるふちゃんからお手紙着いた、読んでもないのにSAN値が激減〜♪
それはさておき。作者の名前、つづりが「LOVE」craftだったんですね。luvとかlavとかlovとか色々予想していましたが、loveだけはないと思っていたので思わず吹き出してしまいました。愛クラフトさん。
「インスマウスの影」
「壁のなかの鼠」
「死体安置所にて」
「闇に囁くもの」
4本収録。「インスマウス」は読んだことがないのに粗筋をざっと知っていました。やはり有名なのだなあ。なんというか、ホラー系のゲームでありそう、命がけ鬼ごっこ。まず部屋から脱出して、追っ手に捕まらないようにアイテムなどを駆使しながら街の外へと逃げ出すのが最終目的。追っ手は視力が弱いので、離れた場所で敵視界を横切る際は歩いていかないと駄目なんですよ。走っちゃうと正体がばれてみんなが一斉にこっちくるの。でも、歩くのは移動速度が遅いから、見つかったときは走らないとあっというまに捕まっちゃったり。ディープワンズと命がけ鬼ごっこアクション。装備品は懐中電灯、システムで地図を参照しながら、刻々と変化する状況を読みつつダッシュ大脱出!そんな妄想。
「死体安置所」も何処かで読んだことがあるような気がするんですが思い出せません。前半が非常にホラーなので、びくびくしながら読んだら、強烈なブラックジョークでした。引っ張って引っ張って、最後に明らかにする(落とす)文章書くのが上手いなあ。
散々あちらこちらでエピソードだけつまみぐいしてから原典に臨むと、なんだか拍子抜けするようなことがありますね。デモンベインのインスマウスのエピソードが、小説ほとんどそのままでびっくりだ。
この訳では「ニャルラホトテプ」表記ですが、わたしが最初に遭遇した訳は「ナイアルラホテップ」でした。雑誌ムーか何かで目にしたのが最初かなあ。家の中にある活字を片っ端から読んでいたときのことで、そのときわたしは何故かにゃる様を「エジプトの神様」だと思っていました。ホルス神と並んでる女神ってそんな名前でしたっけ……?たぐいまれな混同。菊地秀之は「ヨグソトース」表記ですよね。たしか。あちらこちらで見た訳がごっちゃになっているようです。あの発音不可能な単語の数々をどう表記するかが、クトゥルフをどの出版社で読むか選ぶときの大事なポイントでした。いいものをすすめてもらってとても嬉しい。人生の先達よ。
内容に余り関係ない感想ですが、猫の「くろすけ」は英語原文ではなんと呼ばれていたのでしょうか。日本語の黒すけに当たる英単語……気になる。ジャスコの看板にある「AEON」があいおーんに見えてきたどうしよう。
よいせっと購入日記。
2005年8月17日 未分類掛け声のつもりが「良いセット」に見えなくもない。
『京極噺 六儀集』京極夏彦、ぴあ。
『天然理科少年』長野まゆみ、文春文庫。
新刊をネット通販すると出遅れた気分になります。
『京極噺 六儀集』京極夏彦、ぴあ。
『天然理科少年』長野まゆみ、文春文庫。
新刊をネット通販すると出遅れた気分になります。
横溝正史、角川文庫。
文庫未収録短編集。解説によると、横溝作品のうち探偵小説はほとんど角川文庫に収録されているそうで、今後地道に角川文庫で買い揃えていけば重複無しに作品集が完成するモヨウ。「この作家については、この出版社で文庫を揃えれば重複無しに全集が完成する」ようになってくれれば嬉しい作家は多いのになあ。1編だけ違うものが入っているから他の作品は読んだことがあっても買う、などという贅沢ができるほどのお金もスペースもないです。詩集なんかだと、読み手がいつも編者と同じ趣味してると思うなー!と暴れたくなるようなチョイスが多いですよね……。抜粋するな、全部載せろと。
話がずれました。帯は三谷幸喜。
「汁粉屋の娘」
「三年の命」
「空き家の怪死体」
「怪犯人」
「蟹」
「心」
「双生児は囁く」
の短編7本収録。
「汁粉屋の娘」は、汁粉屋の美しい姉妹小町の競争と、片割れの殺害から始まる。姉の直接の死因が実は(ネタバレ)だった辺りが横溝らしいなあ。誰も(ネタバレ)では(ネタバレ)辺りが特に。単に(ネタバレ)だけだったら、そんなご都合主義がと萎えるところなのですが、近藤の「時計くらい」という言葉が実に沁みます。「やがて」が漢字だったり「そんな」が「其那」だったりと、ずいぶんと字面の印象が違ってびっくりしました。
「三年の命」が変なかたちなので、なんだろうこれと思っていたら、雑誌連載で「1ページにつき1枚の挿絵がついて物語が展開していく」話だったのですね。解説読むまで1話がものすごく短いなあと首を傾げておりました。どうせなら挿絵つきで収録して欲しかった。
表題作「双生児は囁く」が一番長くて100ページほど。真鍮の檻に守られた真珠の展示部屋、その中にいた説明役の男が、衆人環視の中ナイフで刺殺される。腕にハートのクイーンの刺青をした女が二人。すばらしく豪華な舞台設定。探偵役の双子のタップダンサーからして人の神経を逆撫でして平気な、どこか馴れ馴れしくて図々しい性格で、なんだかいい人が全然いないんですけど。悪人もせいぜい二人だけど、いい人は一人だけしかいない……。双子にじりじりさせられる警部が、いかにも貧乏くじ引きそうな性格で笑ってしまいます。
ところで、帯の惹句ですが「由利先生」って誰かしら。
文庫未収録短編集。解説によると、横溝作品のうち探偵小説はほとんど角川文庫に収録されているそうで、今後地道に角川文庫で買い揃えていけば重複無しに作品集が完成するモヨウ。「この作家については、この出版社で文庫を揃えれば重複無しに全集が完成する」ようになってくれれば嬉しい作家は多いのになあ。1編だけ違うものが入っているから他の作品は読んだことがあっても買う、などという贅沢ができるほどのお金もスペースもないです。詩集なんかだと、読み手がいつも編者と同じ趣味してると思うなー!と暴れたくなるようなチョイスが多いですよね……。抜粋するな、全部載せろと。
話がずれました。帯は三谷幸喜。
「汁粉屋の娘」
「三年の命」
「空き家の怪死体」
「怪犯人」
「蟹」
「心」
「双生児は囁く」
の短編7本収録。
「汁粉屋の娘」は、汁粉屋の美しい姉妹小町の競争と、片割れの殺害から始まる。姉の直接の死因が実は(ネタバレ)だった辺りが横溝らしいなあ。誰も(ネタバレ)では(ネタバレ)辺りが特に。単に(ネタバレ)だけだったら、そんなご都合主義がと萎えるところなのですが、近藤の「時計くらい」という言葉が実に沁みます。「やがて」が漢字だったり「そんな」が「其那」だったりと、ずいぶんと字面の印象が違ってびっくりしました。
「三年の命」が変なかたちなので、なんだろうこれと思っていたら、雑誌連載で「1ページにつき1枚の挿絵がついて物語が展開していく」話だったのですね。解説読むまで1話がものすごく短いなあと首を傾げておりました。どうせなら挿絵つきで収録して欲しかった。
表題作「双生児は囁く」が一番長くて100ページほど。真鍮の檻に守られた真珠の展示部屋、その中にいた説明役の男が、衆人環視の中ナイフで刺殺される。腕にハートのクイーンの刺青をした女が二人。すばらしく豪華な舞台設定。探偵役の双子のタップダンサーからして人の神経を逆撫でして平気な、どこか馴れ馴れしくて図々しい性格で、なんだかいい人が全然いないんですけど。悪人もせいぜい二人だけど、いい人は一人だけしかいない……。双子にじりじりさせられる警部が、いかにも貧乏くじ引きそうな性格で笑ってしまいます。
ところで、帯の惹句ですが「由利先生」って誰かしら。
岩井志麻子、文春文庫。
あら、文春文庫ではこれが岩井志麻子一冊目なんですね。意外だ。大正初年の岡山で、妾稼業の女性が焼死する。評判の美人だった彼女は新聞に「黒焦げ美人」とセンセーショナルに書き立てられる。
帯とカバー背中に「意外な犯人像」と書かれているので、犯人当てが主体だと思った人もいるのじゃないかしらん。意外な、は犯人にではなく犯人像の「像」にかかるので、ミステリを期待してはいけません。「岩井志麻子で何故に犯人当て……?」と帯に不信感を抱いたわたしは勝ち組。
駄目な両親に美しい姉。妹の晴子は、姉が妾稼業についているから女学校に通っていられる。姉の住む妾宅には、高等遊民のような若い男たちが出入りしている。晴子はそのうちの一人、大橋に好意を抱いているが、姉は誠実な大橋には見向きもせず、冷淡なヴァイオリニスト藤原に恋焦がれている。真夏の最中に明治が終わり、その年の末、はじめての大正の大晦日、姉は耳だけ残した焼死体となる。
凄惨だけれどどこか滑稽な「黒焦げ美人」。表紙の書体がまさしくその通りの印象で秀逸。中身は岩井志麻子節絶好調。美しく悲惨、可憐で不幸、豪奢で酸鼻を極め、生ぬるく凍える真夏、焦げ付く真冬の寒さ。痛み傷んだ真夏の凍える悪夢や、悲劇に凛と映える真冬の端整さなどは夏と冬に思い入れのある人間にはたまらない。一言一句全てが美しい、耽美といえばこれ以上の耽美があるかという美文。「拵え映えのする女」の不幸な後ろ姿が耽美でなくてなんであろうかー!
各章の出だしと題も美しい。章題は新聞の見出し記事の体裁で、作中人物の新聞記者が書いたような軽薄で執拗な時代がかった美文、大きく取り沙汰されるゴシップの質の悪さと、野次馬の無責任な興味本位の覗き趣味が大仰な身ぶりで迫って来るよう。
「奇々怪々の大事件勃発す」
「美人惨殺の兇行者遂に捕はる」
「恐るべし美人焼殺犯の消息」
「好男子にして性向不品行なり」
これが岡山で実際にあった事件なのだそうで。といっても「取材した」とあるので、現実にあった事件が岩井志麻子の手でまったくの別物語になっているのでしょう。『夜啼きの森』のときのように。
帯裏側の引用が絶妙。
「姉です。
藤原さんのヴァイオリンを聴きたがっていたから、耳が残っているのです。」
何気なく本を裏返して、それに気付いたとき体に震えが走りました。鳥肌。
表紙、焦げた本のページが辛うじて読めるけど、これ田辺聖子の『源氏物語』じゃないかしら。手元にあるけど確認するためには段ボール箱を崩さないといけないので挫折。上巻冒頭の桐壺だと思うんですけど誰か確認してください。田辺聖子じゃなくても、桐壺なのは間違いない(もし田辺聖子だったら新潮文庫じゃあ……)。
解説が面白くなかったので残念。というか誰?これでエッセイスト?と暴言で〆る。
あら、文春文庫ではこれが岩井志麻子一冊目なんですね。意外だ。大正初年の岡山で、妾稼業の女性が焼死する。評判の美人だった彼女は新聞に「黒焦げ美人」とセンセーショナルに書き立てられる。
帯とカバー背中に「意外な犯人像」と書かれているので、犯人当てが主体だと思った人もいるのじゃないかしらん。意外な、は犯人にではなく犯人像の「像」にかかるので、ミステリを期待してはいけません。「岩井志麻子で何故に犯人当て……?」と帯に不信感を抱いたわたしは勝ち組。
駄目な両親に美しい姉。妹の晴子は、姉が妾稼業についているから女学校に通っていられる。姉の住む妾宅には、高等遊民のような若い男たちが出入りしている。晴子はそのうちの一人、大橋に好意を抱いているが、姉は誠実な大橋には見向きもせず、冷淡なヴァイオリニスト藤原に恋焦がれている。真夏の最中に明治が終わり、その年の末、はじめての大正の大晦日、姉は耳だけ残した焼死体となる。
凄惨だけれどどこか滑稽な「黒焦げ美人」。表紙の書体がまさしくその通りの印象で秀逸。中身は岩井志麻子節絶好調。美しく悲惨、可憐で不幸、豪奢で酸鼻を極め、生ぬるく凍える真夏、焦げ付く真冬の寒さ。痛み傷んだ真夏の凍える悪夢や、悲劇に凛と映える真冬の端整さなどは夏と冬に思い入れのある人間にはたまらない。一言一句全てが美しい、耽美といえばこれ以上の耽美があるかという美文。「拵え映えのする女」の不幸な後ろ姿が耽美でなくてなんであろうかー!
各章の出だしと題も美しい。章題は新聞の見出し記事の体裁で、作中人物の新聞記者が書いたような軽薄で執拗な時代がかった美文、大きく取り沙汰されるゴシップの質の悪さと、野次馬の無責任な興味本位の覗き趣味が大仰な身ぶりで迫って来るよう。
「奇々怪々の大事件勃発す」
「美人惨殺の兇行者遂に捕はる」
「恐るべし美人焼殺犯の消息」
「好男子にして性向不品行なり」
これが岡山で実際にあった事件なのだそうで。といっても「取材した」とあるので、現実にあった事件が岩井志麻子の手でまったくの別物語になっているのでしょう。『夜啼きの森』のときのように。
帯裏側の引用が絶妙。
「姉です。
藤原さんのヴァイオリンを聴きたがっていたから、耳が残っているのです。」
何気なく本を裏返して、それに気付いたとき体に震えが走りました。鳥肌。
表紙、焦げた本のページが辛うじて読めるけど、これ田辺聖子の『源氏物語』じゃないかしら。手元にあるけど確認するためには段ボール箱を崩さないといけないので挫折。上巻冒頭の桐壺だと思うんですけど誰か確認してください。田辺聖子じゃなくても、桐壺なのは間違いない(もし田辺聖子だったら新潮文庫じゃあ……)。
解説が面白くなかったので残念。というか誰?これでエッセイスト?と暴言で〆る。
クトゥルフはじめました(購入雑記)。
2005年8月10日 未分類宣言から遅れることひとつき。ようやくクトゥルフはじめました。夏は京極とか夏はオツイチとか「夏は〜」ネタはいい加減重複なので「冷麺はじめました」という宣伝調で決めてみました。「クトゥルフひとつー、あとビールお願いねー」「クトゥルフ一丁はいお待ち!」なんてことになってたらそれはそれはSAN値の下がりまくるお店ですね。常に一見さんばかりなのに、客足の耐えない「くとぅるふの店」。
『ラヴクラフト全集1』H・P・ラヴクラフト、大西尹明訳、創元推理文庫。
『ラヴクラフト全集2』H・P・ラヴクラフト、宇野利泰訳、創元推理文庫。
『黒焦げ美人』岩井志麻子、文春文庫。
『双生児は囁く』横溝正史、角川文庫。
プリンを探しに近所の本屋に行ったら、何故か先月までは置いていなかった「コンプティーク」が。……が、9月号……。
うわああんひどいやひどいやー!と涙ッシュで横溝買ってきました。
結局、目的のプリンは見つからなかったので、明日にでも別の本屋に行くことにします。
『ラヴクラフト全集1』H・P・ラヴクラフト、大西尹明訳、創元推理文庫。
『ラヴクラフト全集2』H・P・ラヴクラフト、宇野利泰訳、創元推理文庫。
『黒焦げ美人』岩井志麻子、文春文庫。
『双生児は囁く』横溝正史、角川文庫。
プリンを探しに近所の本屋に行ったら、何故か先月までは置いていなかった「コンプティーク」が。……が、9月号……。
うわああんひどいやひどいやー!と涙ッシュで横溝買ってきました。
結局、目的のプリンは見つからなかったので、明日にでも別の本屋に行くことにします。
diarynote内ではリンクすると相手にばっちりわかってしまうのですよね……。とっても張りたい人がいるのだけれど、なんらかのリアクションがあるかもしれないと想像するだけで無理だ絶対無理だー!なわたしisネットヒッキー。こっそりリンクが出来るならするんですけど。とりあえずブラウザのお気に入りに入れて毎日楽しみにしています。
今月の予定。
・プリン
・京極
・黒焦げ
・理科
・くとぅるふ
今月の予定。
・プリン
・京極
・黒焦げ
・理科
・くとぅるふ
シェイクスピア、福田恒存訳、新潮文庫。
表紙が綺麗で福田恒存なので買い。世界で一番有名な戯曲ではないでしょうか。研究も盛んだし、いまさらわたしごときが何を言ってもどうもこうもないので、以下いつもの通り感想。
実は今日まで、「主人公佯狂」「オフィーリア発狂溺死」「ラストでは主要登場人物軒並み死亡の皆殺しコール」くらいしか知りませんでした。前提は知っていても、ストーリーはなにひとつわからない無教養。
叔父が前王を毒殺、嫂をめとって即位。前王の子であるハムレットは、父王の亡霊に遭遇して復讐をうながされるが、確信と機会を求めて狂気を装って日を過ごす。
で、もののついでに大臣殺害、イギリス追放暗殺の危機、オフィーリアお亡くなりなどの大事件をさらっとこなして叔父を返り討ちにしつつ自分もお亡くなりに。
名台詞の多いこと多いこと。例の「to be, or not to be」をはじめとして世界の関節が外れたりと以下略。
「ホレイショー、こうなったら、亡霊の言葉、千万の金を積んでも買いとるぞ……見たろうな?」
おおお男前だハムレット!福田恒存はカッコよすぎます。丁重が鄭重だったりと最初から最後までにやにやしっぱなしになりました。解説も強烈な美意識に満ちていて、胸が戦きましたよ!「解題」「解説」「シェイクスピア劇の演出」「シェイクスピア劇の執筆年代」と、巻末も大変親切で充実の一冊。
どうも解説の人びとが熱弁を振るって「一般にはこうだと思われているがそれは違う!」という「一般的解釈」とよほど離れた解釈をしていたらしく、一般解釈を前提とする話し振りに首を傾げてしまいました。塩野七生の『人びとのかたち』に、映画ハムレットが一本紹介されていたのを思い出しつつ読んだので、たいそう楽しかったです。叔父は熟年の魅力……ハムレットはマザコンの気配……。
あと、以前から思っていたのですが、ガートルードは悪女の名前ですよねやっぱり(偏見)。
表紙が綺麗で福田恒存なので買い。世界で一番有名な戯曲ではないでしょうか。研究も盛んだし、いまさらわたしごときが何を言ってもどうもこうもないので、以下いつもの通り感想。
実は今日まで、「主人公佯狂」「オフィーリア発狂溺死」「ラストでは主要登場人物軒並み死亡の皆殺しコール」くらいしか知りませんでした。前提は知っていても、ストーリーはなにひとつわからない無教養。
叔父が前王を毒殺、嫂をめとって即位。前王の子であるハムレットは、父王の亡霊に遭遇して復讐をうながされるが、確信と機会を求めて狂気を装って日を過ごす。
で、もののついでに大臣殺害、イギリス追放暗殺の危機、オフィーリアお亡くなりなどの大事件をさらっとこなして叔父を返り討ちにしつつ自分もお亡くなりに。
名台詞の多いこと多いこと。例の「to be, or not to be」をはじめとして世界の関節が外れたりと以下略。
「ホレイショー、こうなったら、亡霊の言葉、千万の金を積んでも買いとるぞ……見たろうな?」
おおお男前だハムレット!福田恒存はカッコよすぎます。丁重が鄭重だったりと最初から最後までにやにやしっぱなしになりました。解説も強烈な美意識に満ちていて、胸が戦きましたよ!「解題」「解説」「シェイクスピア劇の演出」「シェイクスピア劇の執筆年代」と、巻末も大変親切で充実の一冊。
どうも解説の人びとが熱弁を振るって「一般にはこうだと思われているがそれは違う!」という「一般的解釈」とよほど離れた解釈をしていたらしく、一般解釈を前提とする話し振りに首を傾げてしまいました。塩野七生の『人びとのかたち』に、映画ハムレットが一本紹介されていたのを思い出しつつ読んだので、たいそう楽しかったです。叔父は熟年の魅力……ハムレットはマザコンの気配……。
あと、以前から思っていたのですが、ガートルードは悪女の名前ですよねやっぱり(偏見)。
漫画なんだなー。『BLEACH』の18巻購入。ここでいかにルキア萌えであるか熱く語ったら、間違いなくドン引きされてしまう自信があります。なので一言だけ。
卯の花隊長って男じゃなかったのかー!
あと、巻末の浮竹プロフィールって全部ネタですよね。生まれながらのお笑い体質……?
卯の花隊長って男じゃなかったのかー!
あと、巻末の浮竹プロフィールって全部ネタですよね。生まれながらのお笑い体質……?
ヴェルヌ、波多野完治訳、新潮文庫。
言わずと知れたジュール・ヴェルヌの少年漂流冒険小説。15人の少年達を乗せた船がふとしたことから荒海へ。大嵐にもまれた末に、なんとか陸地にたどり着くが、そこはどうやら周囲を海に囲まれた無人島らしい。少年達は助けが来るまで生き延びるべく、さまざまな創意工夫を重ね、団結して知恵と勇気と好奇心と冒険に満ちた暮らしをはじめる。
『蝿の王』より先に読まないと駄目ー!
順番を逆にすると割りと泣ける事態が待っています。ニュージーランドから嵐に流された少年達がたどりつく先が、北半球の島のために、南海の孤島が舞台である『蝿の王』とは真逆なのです。というか1828年のヴェルヌのほうが先なのに『蝿の王』と対照だなーって、基準が逆だからそれ。同じ少年漂流記でも、書く人間が違えば違うものだなあと思うよりも、年代が下ると少年探偵団がバトルロワイヤルになっちゃうのね……という殺伐感と時代の流れを思うほうが強かったので。
快活で心根の優しいブリアン、思慮深く慎重なゴードン、傲慢で自尊心の強いドノバンが年長組。これがそのまんま『蝿の王』のラーフ、ピギー、ジャックに対比されて、興味深いとか面白いとか言うより先に「リアリスティックってむごい」とテンションが微妙に下がりました。あと、ドノバンに銃を持たせると、いつブリアンを撃ち殺すのかとドキドキです。物語のテンションを考えると、そんなことは絶対無いのはわかるのですが、それでもドノバンがブリアンと対立する素振りを見せるたびに、びくびくしてました。
船には食料、生活必需品、工具、銃と火薬、そのほか島での生活に必要なものがたっぷり積み込まれていて、少年達はこれを元に暮らし始めます。8歳から14歳の集団とは思えないほど克己心にとんで自律性が高いのはご愛嬌。なぜならこの小説は「少年探偵団」だからです(断言してますがわたし少年探偵団読んだことないです)。読み手である少年達と少数派の少女に近い年頃の子供達が、創意工夫を重ね、友情を深め、冒険し、発明し、そして大人が見ても「実によろしい」というような生活を送る。もちろん深刻な失敗や外敵や仲たがいやその他いろいろあるけれど、少年達は努力と勤勉と協力で困難に打ち勝ち、冒険を成功させて無事に帰ってくるのでなくてはいけないのです。一言で言えば「道徳的」。いかにも「子供向け」、悪い言い方をすれば子供だましなんですが、ハイクオリティ通り越して「究極の」がつきそうな物語。子供向け子供だましで何が悪い。年頃の少年少女を夢中にさせる物語の強さに、そんな評価程度で傷一つつくものか!
エキサイトして話がずれました。要するに「安全」なんだけれど、安全で何が悪い、安全じゃなければいいというのか。むしろ安全でなければいいという考え方のほうがよほど安直じゃないのかと思った次第であります。
以下あまり本筋に関係ない感想。
ニュージーランドが植民地だったり、黒人のボーイだけ選挙権がなかったりと、時代を感じさせる記述が多い。
島にペンギンたくさん。羨ましい。
サバイバル物になると、ヨーロッパ人は狩猟のとき無意味に動物を殺しますよね。必要以上に殺してるように見えますが、あれは狩猟の喜びが一般的ということなのかしら……。いっつも「オーバーキルもいいところだなあ」と気になって仕方ありません。資源の無駄遣いいくない。そんなわたしは日本人。
14歳が「君は駝鳥の教訓を忘れのかい。(中略)その時まで、がまんしたまえ」っていう喋りはどうなのかと思いましたが、ゴードンが某本屋変換されて面白くて仕方なかったので、これでいいやー。最終的には「これでないと駄目だ」となったので、自分の頭が相当どうかしてると思いました。
ブリアンはもう少し快活寄りにして欲しかった。
手先の器用なバクスターの発明は、職人芸の域に達していると思います。
訳者による解説が非常に面白かったです。比較文学の視点から見たときのエピソードなどは非常に興味深いものです。日本語訳のタイトルが、原題と全く違うことも初耳。わたしからすれば「なんでこれだけ有名な本の原版が見つからないのか」と首を傾げるばかりですが、原本が凡作ならそれは仕方ないのですね。というか「原本が凡作」というのがカルチャーショック!思軒は偉大だ。
「男が理想を追って、最新の科学を駆使してかけまわるのが、ヴェルヌの世界なのです」
「ヴェルヌの小説には、あまり悪人がでてきません。科学者でエクセントリックな人はありますが、それもけっきょく、科学にこりすぎて人類全体を忘れたのです」
子供向けのような語り口で、実は大爆笑の内容の解説がむやみにツボでした。
言わずと知れたジュール・ヴェルヌの少年漂流冒険小説。15人の少年達を乗せた船がふとしたことから荒海へ。大嵐にもまれた末に、なんとか陸地にたどり着くが、そこはどうやら周囲を海に囲まれた無人島らしい。少年達は助けが来るまで生き延びるべく、さまざまな創意工夫を重ね、団結して知恵と勇気と好奇心と冒険に満ちた暮らしをはじめる。
『蝿の王』より先に読まないと駄目ー!
順番を逆にすると割りと泣ける事態が待っています。ニュージーランドから嵐に流された少年達がたどりつく先が、北半球の島のために、南海の孤島が舞台である『蝿の王』とは真逆なのです。というか1828年のヴェルヌのほうが先なのに『蝿の王』と対照だなーって、基準が逆だからそれ。同じ少年漂流記でも、書く人間が違えば違うものだなあと思うよりも、年代が下ると少年探偵団がバトルロワイヤルになっちゃうのね……という殺伐感と時代の流れを思うほうが強かったので。
快活で心根の優しいブリアン、思慮深く慎重なゴードン、傲慢で自尊心の強いドノバンが年長組。これがそのまんま『蝿の王』のラーフ、ピギー、ジャックに対比されて、興味深いとか面白いとか言うより先に「リアリスティックってむごい」とテンションが微妙に下がりました。あと、ドノバンに銃を持たせると、いつブリアンを撃ち殺すのかとドキドキです。物語のテンションを考えると、そんなことは絶対無いのはわかるのですが、それでもドノバンがブリアンと対立する素振りを見せるたびに、びくびくしてました。
船には食料、生活必需品、工具、銃と火薬、そのほか島での生活に必要なものがたっぷり積み込まれていて、少年達はこれを元に暮らし始めます。8歳から14歳の集団とは思えないほど克己心にとんで自律性が高いのはご愛嬌。なぜならこの小説は「少年探偵団」だからです(断言してますがわたし少年探偵団読んだことないです)。読み手である少年達と少数派の少女に近い年頃の子供達が、創意工夫を重ね、友情を深め、冒険し、発明し、そして大人が見ても「実によろしい」というような生活を送る。もちろん深刻な失敗や外敵や仲たがいやその他いろいろあるけれど、少年達は努力と勤勉と協力で困難に打ち勝ち、冒険を成功させて無事に帰ってくるのでなくてはいけないのです。一言で言えば「道徳的」。いかにも「子供向け」、悪い言い方をすれば子供だましなんですが、ハイクオリティ通り越して「究極の」がつきそうな物語。子供向け子供だましで何が悪い。年頃の少年少女を夢中にさせる物語の強さに、そんな評価程度で傷一つつくものか!
エキサイトして話がずれました。要するに「安全」なんだけれど、安全で何が悪い、安全じゃなければいいというのか。むしろ安全でなければいいという考え方のほうがよほど安直じゃないのかと思った次第であります。
以下あまり本筋に関係ない感想。
ニュージーランドが植民地だったり、黒人のボーイだけ選挙権がなかったりと、時代を感じさせる記述が多い。
島にペンギンたくさん。羨ましい。
サバイバル物になると、ヨーロッパ人は狩猟のとき無意味に動物を殺しますよね。必要以上に殺してるように見えますが、あれは狩猟の喜びが一般的ということなのかしら……。いっつも「オーバーキルもいいところだなあ」と気になって仕方ありません。資源の無駄遣いいくない。そんなわたしは日本人。
14歳が「君は駝鳥の教訓を忘れのかい。(中略)その時まで、がまんしたまえ」っていう喋りはどうなのかと思いましたが、ゴードンが某本屋変換されて面白くて仕方なかったので、これでいいやー。最終的には「これでないと駄目だ」となったので、自分の頭が相当どうかしてると思いました。
ブリアンはもう少し快活寄りにして欲しかった。
手先の器用なバクスターの発明は、職人芸の域に達していると思います。
訳者による解説が非常に面白かったです。比較文学の視点から見たときのエピソードなどは非常に興味深いものです。日本語訳のタイトルが、原題と全く違うことも初耳。わたしからすれば「なんでこれだけ有名な本の原版が見つからないのか」と首を傾げるばかりですが、原本が凡作ならそれは仕方ないのですね。というか「原本が凡作」というのがカルチャーショック!思軒は偉大だ。
「男が理想を追って、最新の科学を駆使してかけまわるのが、ヴェルヌの世界なのです」
「ヴェルヌの小説には、あまり悪人がでてきません。科学者でエクセントリックな人はありますが、それもけっきょく、科学にこりすぎて人類全体を忘れたのです」
子供向けのような語り口で、実は大爆笑の内容の解説がむやみにツボでした。
安野モヨコ、講談社文庫。
漫画家の安野モヨコが美人になりたいんじゃー!と女子力の限りを尽くすエッセイ。
「おもしろみ回路」と「美しいもの回路」を平行励起で人生送っているわたしには楽しい限りでした。だって「美しいこと」についてあの安野モヨコが面白さの限りを尽くして書いてるのですよ!ああ面白いああ楽しい。
びっくりしたのが安野モヨコって文章美しいですね!もっとぐだぐだなものがくるかと思っていたら、えらいかっちりした「あたまどうたいしっぽ」の明確な文章書くのでびっくりしてしまいました(あたま云々は大体主語述語目的語みたいなもんだと思ってください)。わかりやすーい。おもしろーい。「とゆう感じ」乱発しながら呼応の明確な文章書く人はじめて見ました。
一、二ヶ所、どっちの意味にも取れるけど、どっちのなのかしらと考え込む部分がありましたが、絵のフォローで解決。いまひとつだった詰め込み旅行日記は脳内フィルター適用。
日本家屋で隠居生活を送りたい夢いまだかなわず……。美しいものに囲まれて暮らしたいです。その前に言葉習慣叩き直してきたいと思います。
ところで髪型ビフォーアフターの、アフター写真は載せないのですか?残念だ。
漫画家の安野モヨコが美人になりたいんじゃー!と女子力の限りを尽くすエッセイ。
「おもしろみ回路」と「美しいもの回路」を平行励起で人生送っているわたしには楽しい限りでした。だって「美しいこと」についてあの安野モヨコが面白さの限りを尽くして書いてるのですよ!ああ面白いああ楽しい。
びっくりしたのが安野モヨコって文章美しいですね!もっとぐだぐだなものがくるかと思っていたら、えらいかっちりした「あたまどうたいしっぽ」の明確な文章書くのでびっくりしてしまいました(あたま云々は大体主語述語目的語みたいなもんだと思ってください)。わかりやすーい。おもしろーい。「とゆう感じ」乱発しながら呼応の明確な文章書く人はじめて見ました。
一、二ヶ所、どっちの意味にも取れるけど、どっちのなのかしらと考え込む部分がありましたが、絵のフォローで解決。いまひとつだった詰め込み旅行日記は脳内フィルター適用。
日本家屋で隠居生活を送りたい夢いまだかなわず……。美しいものに囲まれて暮らしたいです。その前に言葉習慣叩き直してきたいと思います。
ところで髪型ビフォーアフターの、アフター写真は載せないのですか?残念だ。
『美人画報』安野モヨコ、講談社文庫。
『ハムレット』シェイクスピア、福田恒存訳、新潮文庫。
『十五少年漂流記』ヴェルヌ、波多野完治訳、新潮文庫。
ちょっと知的で綺麗なおねーさんが読んでいそうなラインナップを目指してみました。嘘です。『ハムレット』は福田恒存訳にひかれてふらふらと気がついたら手にしてました。ヴェルヌは折角『蝿の王』が同じ100冊のラインナップに入っているので読み比べ。
ところで先日のエロゲー雑誌を購入日記ですが、雑誌もマリ見てもそれぞれピンで買うならあそこまで暴れません。なんというか組み合わせの妙ってありますよね。そんな感じ。
『ハムレット』シェイクスピア、福田恒存訳、新潮文庫。
『十五少年漂流記』ヴェルヌ、波多野完治訳、新潮文庫。
ちょっと知的で綺麗なおねーさんが読んでいそうなラインナップを目指してみました。嘘です。『ハムレット』は福田恒存訳にひかれてふらふらと気がついたら手にしてました。ヴェルヌは折角『蝿の王』が同じ100冊のラインナップに入っているので読み比べ。
ところで先日のエロゲー雑誌を購入日記ですが、雑誌もマリ見てもそれぞれピンで買うならあそこまで暴れません。なんというか組み合わせの妙ってありますよね。そんな感じ。
ゲーム系の雑記が増えてる……
2005年7月29日 未分類かつて一度もプレイしたことがなく、これからもプレイすることのないゲームの攻略本買ってどうするのかしらー。しかも予約して。昔から変わらない癖というものを実感。
『MELTY BLOOD Act Cadenza公式攻略ガイドブック』買いました。表紙がピカピカ銀箔押しでカッコいいー、と喜んだのも束の間、何故か角ががっつり削られて落ちる寸前、同じく角の辺りに尖ったものをぶつけた跡があって大いにへこむ。
「Re」の時とどれだけ違いがあるのかなーと興味深く眺めて一人怪しく笑う。もしかしたらそのうちこっそり一人でゲーセンへ行くこともあるのかもしれません。家主連れてって攻略させるほうが先っぽいですが。
『MELTY BLOOD Act Cadenza公式攻略ガイドブック』買いました。表紙がピカピカ銀箔押しでカッコいいー、と喜んだのも束の間、何故か角ががっつり削られて落ちる寸前、同じく角の辺りに尖ったものをぶつけた跡があって大いにへこむ。
「Re」の時とどれだけ違いがあるのかなーと興味深く眺めて一人怪しく笑う。もしかしたらそのうちこっそり一人でゲーセンへ行くこともあるのかもしれません。家主連れてって攻略させるほうが先っぽいですが。
『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』
2005年7月26日 未分類今野緒雪、集英社コバルト文庫。
表紙の3人の3本収録。
ぶっちぎりで田中有馬ですよ。もう彼女以外ない。イラストの由乃さんお出かけ姿がむちゃくちゃ可愛い。
柏木の立ち位置やら性能やら人格やら、嫌な人でありつつ嫌な人であってくれない、という状態が、ものすごく絶妙でうまいなー。
えーと、まさかラストは鬱展開とかそういうことは……。
表紙の3人の3本収録。
ぶっちぎりで田中有馬ですよ。もう彼女以外ない。イラストの由乃さんお出かけ姿がむちゃくちゃ可愛い。
柏木の立ち位置やら性能やら人格やら、嫌な人でありつつ嫌な人であってくれない、という状態が、ものすごく絶妙でうまいなー。
えーと、まさかラストは鬱展開とかそういうことは……。
先日からの決意を固めたまま書店へれっつごー。最初に行こうとしていたお店は、車では近寄れない立地条件だったので、見送って次へ。見た目小さな店なのに、何故か人がいつも沢山いるなあと思っていたその書店、中へ入ってみてびっくり。売り場面積は予想の1.5〜2倍程度、まあ普通の規模です。しかし棚の充実具合が尋常でない。敷地面積に対して棚がみっしりなら、棚に対する本の量もみっしり。特に雑誌の充実度合いが高く、この規模でこれだけ雑誌の品揃えがいいお店はじめて見ました。文芸誌だけで30種類近く置いてて、ムックも雑誌扱いという。ハードカバー後回しで文庫に力を入れているのもよくわかる、狙いのはっきりした実にいい書店なので今後ごひいきにします。
で、目指す雑誌2冊のうち、1冊を発見。一通り店内を見回ると、マリ見ての新刊も発見。家主に「新刊出てるよー」と報告したところ、
「ついでにそれも買っておいて」
「ありえない!」
思わず即答です。いや、だって、男性向け18禁雑誌とマリ見てですよ?ありえない。
しかしわたしはザッツエンターテイメントの真髄目指して日々を送るオタク。ありえないという自分の台詞に触発されるまでにかかった時間が3秒。ありえない組み合わせの本を買う、ライク罰ゲーム、ネタになる!
やっぱり面白いから買う、と家主に告げたところ「それでこそ漢だ」って言われました。男じゃなくて漢なのよね……とネタやら自嘲やらが飛び交うわたしの背中に家主もう一言。
「業が深いな……」
というわけで、18禁表示アリ・水着のツインテール美少女が胸に挟んだソフトクリームをなめてる表紙・透明フィルムラッピング済み・やたら分厚い・小冊子付録・裏表紙は寒いギャグの巨乳ゲームの宣伝と何拍子揃ってるのかすらわからないエロゲー雑誌と、『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』買ってきました。ちなみに雑誌は「テックジャイアン9月号」です。
我ながら業が深いと思いました。
で、目指す雑誌2冊のうち、1冊を発見。一通り店内を見回ると、マリ見ての新刊も発見。家主に「新刊出てるよー」と報告したところ、
「ついでにそれも買っておいて」
「ありえない!」
思わず即答です。いや、だって、男性向け18禁雑誌とマリ見てですよ?ありえない。
しかしわたしはザッツエンターテイメントの真髄目指して日々を送るオタク。ありえないという自分の台詞に触発されるまでにかかった時間が3秒。ありえない組み合わせの本を買う、ライク罰ゲーム、ネタになる!
やっぱり面白いから買う、と家主に告げたところ「それでこそ漢だ」って言われました。男じゃなくて漢なのよね……とネタやら自嘲やらが飛び交うわたしの背中に家主もう一言。
「業が深いな……」
というわけで、18禁表示アリ・水着のツインテール美少女が胸に挟んだソフトクリームをなめてる表紙・透明フィルムラッピング済み・やたら分厚い・小冊子付録・裏表紙は寒いギャグの巨乳ゲームの宣伝と何拍子揃ってるのかすらわからないエロゲー雑誌と、『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』買ってきました。ちなみに雑誌は「テックジャイアン9月号」です。
我ながら業が深いと思いました。
あーもうあーもうあーもう!
2005年7月24日 未分類ついにとある雑誌の購入を決意。さすがに物が物だけに書店に行くのも色々と差しさわりが、とこんなときのネット通販を頼ろうとしたら、発見できないわ取り扱ってないわその雑誌だけないわと軒並みお断りされました。近所の本屋はお子様に配慮してアレな雑誌はほとんど置いてないんだよー!うわああん!
明日から捜索の旅に出ます。早々に発見しないと売り切れる!欲しい本のためなら恥も外聞もあるものかー!
某本屋さんはわたしが探しているアレな雑誌よりもはるかにお子様の教育上宜しくないシロモノが山と積まれている某コーナーを先になんとかしてください。
明日から捜索の旅に出ます。早々に発見しないと売り切れる!欲しい本のためなら恥も外聞もあるものかー!
某本屋さんはわたしが探しているアレな雑誌よりもはるかにお子様の教育上宜しくないシロモノが山と積まれている某コーナーを先になんとかしてください。