『アラビアの夜の種族』が文庫で出たじゃないですか。上中下巻の3冊で。
ちょっと調べ物をしていたときに、上巻の在庫に「△」がついていたのを発見したわたしは、慌てて買わなきゃ!と口に出し、
「その下にハードカバーであるね」
と、横から店長(仮名)に指摘され、画面をよくよく見れば、ハードカバー版の在庫には「○」が。

「えーと、じゃあこっち買います」

迷わずハードカバー版を注文するわたし。不思議なものを見るような目でこちらを見る店長。
「なんで文庫じゃないの?そのこだわりは?」
まさか、「世の中にはハードカバーじゃないといけない本が存在するんです!」と力説するわけにも行かなかったので、とりあえず、
「文庫版の実物を見たんですけど、間抜けだったんですよねー」
とお茶を濁しておきました。
しかし、その後『どすこい』を3回買ったことがばれてしまい、ただのこだわり派から偏執的趣味の持ち主に評価が大暴落したことは間違いない。

そんないきさつのあったお取り寄せ『アラビアの夜の種族』(ハードカバー)買ってきました。

すごいんですよ

2006年10月26日 雑記
わたしが通院してるお医者さんの待合室には、教養溢れる本がかなり置いてあります。
夏目の『道草』『行人』のここで、通院のたびにちまちまと待ち時間で読みました。
辞書も百科事典も、何故かキリスト教事典みたいなものもある上に、社会史歴史哲学に心理学と、ベストセラーに混じってゲゲゲの鬼太郎があったのには懐かしくて飛びつきました。

が。

ふと目をやった本棚。一番上。今まで地域社会の記録系のものが並んでいると信じて疑わなかった棚。
よく見たら、

ボルヘスが編集した「バベルの図書館」シリーズが、
全30巻、整然と並んでいる……!

目をむきました。
思わず『パラケルススの薔薇』を取り出して読みました。
うわさには聞きますけど、実物見るの初めてですよバベルの図書館!
1冊2千円ごえの値札が眩しいぜ……。

通院が終わるか、本を読み終えるの早いかの、チキンレースになってきた気がします。
『日本沈没』上下巻 小松左京、小学館文庫。

小学館文庫なんてあったんだ、へー、はじめて見た。
と、無礼なことを言いつつ、先日の筒井康隆に続けてみた。

いいもん見っけた

2006年10月22日 雑記
京極夏彦、『邪魅』インタビュー。

http://books.yahoo.co.jp/interview/detail/31775078/01.html

最近はネット上でいろんなインタビューを見ることができていいなあ。

『道草』

2006年10月18日 読書
夏目漱石、岩波文庫。

病院の待合室に置いてある夏目を、ちまちま読んでいます。
メインとして描かれる、健三、お住夫婦のすれ違いがすごい身に染みて理解できるのでせつない。
ああいうふうな状態になったら、わたしにはどうしたらいいのか打つ手がありません。おてあげ。
一番苦手なすれ違い状態だなー。
こうなるくらいなら、怒鳴りあったり家に寄り付かなくなったりするほうが、まだしも解決の方法がありそう。
「自分がこうなる/こうするのは相手のせいだ」っていうのは、一番卑怯な言い草じゃないかなあ。

現物が手元にないので詳しい感想は入手したときにでも。
夏目大好きだ。
『日本以外全部沈没』筒井康隆、角川文庫。

映画もビジュアル面での「やりすぎ」演出をこれでもかと繰り出して、なかなかに面白かったです。が、原作はそれ以上に楽しみ。
筒井康隆は好きすぎで手が出せず、これが自分で買ったはじめての筒井康隆です。
『残像に口紅を』はわたしの人生をひょいっと曲げてくれました。
言語で世界を構築する・破壊するというテーマに狂って、今や牧野修にまでやってきてしまった自分を振り返ると、

こうなることが運命だったような変態ぶりに涙が出そう。

『城』

2006年10月14日 読書
フランツ・カフカ、前田敬作訳、新潮文庫。
内容(「BOOK」データベースより)
測量師のKは深い雪の中に横たわる村に到着するが、仕事を依頼された城の伯爵家からは何の連絡もない。村での生活が始まると、村長に翻弄されたり、正体不明の助手をつけられたり、はては宿屋の酒場で働く女性と同棲する羽目に陥る。しかし、神秘的な“城”は外来者Kに対して永遠にその門を開こうとしない…。職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外された姿を抉り出す。

最初は誰が本当のことを言ってるのかわからなくて大変混乱しました。主人公のKは、本当に城から招聘されたのか?たまたま村にたどりついただけのようにも思えるし、しかし、村長は確かに測量士を招くというやりとりが村と城の間であったと書類を示す。
Kはなんとか城の役人であるクラムに会おうと努力するも、城は決してその姿を見せることなくただ機械的にKをあしらいます。
Kはひたすらうろうろと城に近づくべく、バルナバスきょうだい、橋屋のおかみ、フリーダ、ペーピー、館のおかみの間を転々とします。時折、城からの使いや、手紙や、秘書による尋問などがありますが、それらは全て城に近づく手立てとはなりません。
主人公は村に到着し、自分の位置を確かにしようとやっきになるのですが、永遠の徒労に終わるでしょう。
という物語。
解説によると、「現代社会の立法は、人間が自己自身の本来性を保持することをゆるさない」。それはつまり、人間が職業的機能としてしか存在できないということであり、職業的機能でない主人公、Kは社会に属することができないということである。
世界に対してただ「ある」ことはできない。所属しないものは「ない」ものだとするカフカ文学は、政治的状況の存在論、そこにリアリティが成立する、リアリズムの文学である。
カフカは生まれながらにして「何処にも所属していない・所属できない」人間だった。
異境の立法の前に、到着はしても入場も所属も許されない、永遠にさまよい続けるしかない徒労の物語。
これに気づくと、Kの言うことが本当であろうがあるまいが、それはたいした問題ではなくなるのでした。

解説が素晴らしくわかりやすく、要点をまとめてくれていて感嘆しました。これを読めば本文内での一向に進展しない状況と、Kのよくわからない行動が深くうなずけるようになります。
仕事に対して、ある種の懐疑を持っている人に超おすすめ。特に、お役所仕事のたらいまわしを痛感したことがあるとか、仕事以外の日常がないとか、日常って仕事で送る毎日のことだよね?と思う人などがうってつけなのではないかと思います。
あるいは、現在仕事をしていなくて、それによって疎外感を味わい、自分が一人前でないような、存在してはいけないような嫌な気分を味わっている人も、Kの気持ちがよくわかってより鬱々となれるでしょう。

読み終わって解説を見てはじめて、この物語が未完であることを知りましたが、ここまできたなら何処で終わっていても未完であるし、また完成しているのではないかと思われます。
いやほんとこんな内容をがっちりつかんだ解説ははじめてみました。新潮文庫版を強力にプッシュ!

『キノの旅 10』

2006年10月11日 読書
時雨沢恵一、電撃文庫。

巻数はローマ数字が正しいのですがいつもの通り便宜的にアラビア数字で。
ついにカバー折り返しでも挟み込みのチラシでも新刊予告でも「今回のあとがきは?」と言及されるようになったあとがき。
今回は「本文中にいきなりあとがき」と、ある場所自体は予想の範囲内でしたが、体裁は予想の範囲をはるかに超えていました。ちゃんと目次にも載ってるのに見落とすなんて……!

表紙とカラーを見た瞬間、黒星紅白えらい絵が変わったな、と嫌な方向に驚愕したのですが、中のモノクロ挿画を見て安心。相変わらず素敵だ。保護された変な生き物をぜひ見てみたかった。もったいなし。
第七話「歌姫のいる国」が半分以上を、……三分の二くらいをしめています。いつキノの登場によって物語がすれ違い残酷エンドを迎えるのかドキドキの一編。

今回も楽しく満足しました。

あんまり関係ないですが、「vice versa」ってラテン語ですよね。英語の中にいきなりあるとびっくりする。
そしてぐぐったら英語扱いで更にびっくりし、慌てて辞書引いたら何処にもラテン語なんて書いてなくてうろたえる。
「vice versa ラテン語」で検索してようやく一安心。しかしどこで仕入れたのかこの単語。 
『キノの旅10』
『さよなら絶望先生』既刊1〜5巻を一気
『BLEACH』新刊24巻

を一気に買っても三千と百円出すとおつりがくることにうっとりする駄目人間。

『一千一秒物語』

2006年10月10日 読書
稲垣足穂、新潮文庫。

本当は河出の『ヰタ・マキニカリス』が欲しかったのですが、これはこれでよし。収録数が多くてお得。そして表紙が非常に「らしく」て素敵。

「一千一秒物語」
「黄漠奇聞」
「チョコレット」
「天体嗜好症」
「星を売る店」
「弥勒」
「彼等」
「美のはかなさ」
「A感覚とV感覚」
の全九編を収録。

あらためて読むと、ものすごい美文でびっくりしました。特に「星を売る店」「天体嗜好症」街の空気など、あっというまに異国情緒漂う、古きよきモダンな街に連れて行かれたような錯覚をおこします。これを読み落としていた過去の自分を正座させて小一時間説教したい。
「一千一秒物語」は相変わらずキュートで、はじめて読んだときと印象変わらず。
「黄漠奇聞」は、街の精緻な美しさににやにやしてしまいました。白い街が赤く染まる黄昏時、王の悩乱、首を落とされる博士。ラヴクラフトの「無名都市」を連想してイメージの重なり具合に更ににやにやしていたら、ラストで「ダンセーニ大尉」が出てきて不意打ち食らいました。時期が同じ頃と聞いたけれど、どうなんだろう。調べてみよう。
「弥勒」を読むと、学校の教科書に載っていた、「日本人はごく少ない荷物で旅をして、清潔で旅先の目的地に着けばちゃんとした様子を整えることができる。しかし、我々ときたらシーツだの暖炉だのバタつきパンだの、そういう余計なものが沢山ありすぎる、そしてその余計なものがないとちっとも暮らしていけない」という内容の文章を思い出すのですが、これ誰の作品だろう。小泉八雲っぽいと思っているのですが、出典失念。
何もない暮らしってあこがれる。
「美のはかなさ」は難しすぎて挫折しました。哲学用語とびかいすぎ。専門家にわかりやすく読み解いて欲しい。むしろ足穂に個人授業をしてもらうくらいの勢いで。
「A感覚とV感覚」も同じく。半分くらいわかったようなわからないような……。井原西鶴はちゃんと読んでるんですよ、でもわかりません。しかしジュネが男娼になった理由を「客体化」で説明してるのにはあっと膝を打ちました。なるほどねー。
全部理解できるようになったら、わたしが「男装の麗人」に固執する理由、あのむやみな魅力が説明できるようになるかもしれない。

稲垣足穂をコンプしたいという欲望が再燃しました。
解説で、芥川が稲垣足穂に書き送った本のお礼が引用されていたのですが、それを見て芥川に対する愛をますます強める。
「大きな三日月に腰掛けているイナガキ君、本の御礼を云いたくてもゼンマイ仕掛けの蛾でもなけりゃ君の長椅子へは高くて行かれあしない」
素敵ー!なんて話のわかる作家芥川ー!

『家守綺譚』

2006年10月7日 読書
梨木香歩、新潮文庫。

これ、『グラン・ヴァカンス』と同じ日に買ってきたのですよ。初梨木香歩、初飛浩隆だったのですが、はじめて手に取った作家の本が、2冊とも大当たりってすごい。引きの強さに驚愕しました。こんな体験、今までではじめてじゃなかろうか。
これまた自分の趣味にあわせてあつらえてもらったんじゃないかと錯覚するような本でした。
自分の中ではSFと和風趣味は対極にあって、ただ「美しい」という一点においてしかつながっていなかったのですが、最近「幻想文学」という素敵なくくりがあることを知っておおはまりです。素晴らしいジャンルですよね。美しければオールオッケー、今まで困っていた分類が一挙に解決。

(裏表紙から)
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没多数……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩に掉さしかねている新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つきの二階屋との、のびやかな交歓の記録である。――綿貫征四郎の随筆「烏藪苺記」を巻末に収録


「藪」の字が違うんですが、どうも出ないようなので別の字当てておきました。「綿貫征四郎」が一発変換できるとは思わなくてびっくりした。
この紹介文書いた人も、この手のものが相当好きだと見た。
それはさておき。
駆け出しの文筆家、綿貫征四郎の一人称で語られる、古い家とその周囲に現れる不思議なものたちとの四季折々の暮らしぶり。
学生時代に亡くなった友人の家に、家守として引っ越した綿貫。床の間の掛け軸から、雨の日にボートでひょっこりあらわれる亡友・高堂(高堂も一発変換できる、すごい)。その高堂のすすめで飼うことになる犬、ゴロー。綿貫に惚れているらしいサルスベリの木。隣のおかみさん、ダァリヤの君、竜田姫。
二階建て。電燈はあるけれども当てにならない。縁側はさまざまな植物の植わった庭に臨み、疎水を引き込んだ池の庭には、水に縁のある河童だの鮎だのがやってくる。
純和風家屋あるいは、明治ロマンのおうちに、とっとと楽隠居する野望を抱いている人間には垂涎の的のような家ですねまったく。いっそねたましいわー。
不思議なものたちと綿貫の交流もよいのですが、四季の描写がそれはもううつくしいこと。それは花や木の様子であったり、雪が降ってくる駅舎の寒さだったり、旬の食べ物であったり。アスファルトで固められた都会では失われた空気の匂いが紙面の向こうに横溢しています。
自分を取り巻く環境をこんなまなざしで見ることができる綿貫の造型がやさしくて愉快。ここ一番の名台詞がふたつあって、

「しかしいかな化け物であっても、このように目の前で苦しんでいるものを、手を差し伸べないでおけるものか」

もうひとつはネタばらしになりそうなのと、とても素敵なので読んだ人だけの秘密。
ちゃんと謝りに行くあたり、心根のやさしさがよく出ているよね。

作者のプロフィールを見ると、学生時代に英国で暮らしたことがあるそうで、自覚的な日本への愛に水村美苗と米原万里を思い出しました。うーん、やはり海外に行くのはいい修行になるのか。
同じ日本趣味でも、三浦しをんの『月魚』よりも文章がさっぱりしてて好みかなあ。

高堂のビジュアルが脳内で百目鬼(HOLiC)になっていたのは君と僕との秘密だ。
飛浩隆、ハヤカワ文庫。

ふひー、世の中には探せばあるものなのですね。
自分と完璧に趣味の合う、あつらえてもらったんじゃないかと錯覚しそうになる物語が。
ああ美しかった、ああ美しかった、ああ美しかった。
三回口に出して言ったので、三回繰り返して書きます。

あらすじはめんどいんでよそから引用しますよ。
内容(「BOOK」データベースより)
ネットワークのどこかに存在する、仮想リゾート“数値海岸”の一区画“夏の区界”。南欧の港町を模したそこでは、人間の訪問が途絶えてから1000年ものあいだ、取り残されたAIたちが、同じ夏の一日をくりかえしていた。だが、「永遠に続く夏休み」は突如として終焉のときを迎える。謎のプログラム“蜘蛛”の大群が、街のすべてを無化しはじめたのである。こうして、わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦がはじまる―仮想と現実の闘争を描く『廃園の天使』3部作、衝撃の開幕篇。


えーと、あれだ、夏でSFで廃園で海で特殊な石が出てきて、夜明けまでを凌ぐ大攻防戦って、

天才だ。

しかもAIですよ?生のいきものじゃないんですよ?情報の集積体のくせに山ほどトラウマ抱え込んでシステムの一部として酷使されるAIたちの、廃園の一千年の夏休み!
長野まゆみの『テレヴィジョン・シティ』の夏のイメージと大崩壊を思い出します。
そしてそれ以上に世界残酷物語。
緻密にちりばめられた、むごいむごい過去の挿話と、今展開するグロテスク寸前の殺戮劇。
これが陳腐なほど醜悪で、残酷で美しい。
生きたまま、最後の一瞬まで意識を保って徹底的に腑分けされ頭から食われる苦痛。ほどかれながら歩む、一歩の歩幅に圧縮された一千キロの廊下。背後から仲間の食らい尽くされる音が聞こえてくる、永遠ほどに引き伸ばされた瞬間。
この残酷趣味の徹底が、むやみにエロス。
過去の記憶にまでその酷さが及ぶに至っては、もう残酷とエロスをイコールで結んでしまいたい。
あとヒロインがぱんつはいてない16歳。夏の光にほとんど白く光る金髪を短くして、生成りの麻のワンピースを身にまとって軽やかに海まで走る。
そんでAI。
更に「設定がツンデレ」。
古めかしい海沿いの街で、人間のゲストがやってこない永遠の夏休み。グラン・ヴァカンス。
夏の日差し、青い空、強い風、海、鳴き砂、小さな宝石のような硝視体。
冒頭の朝食の描写でがつんとやられました。いいなー、こんなリゾートあったら行きたい。もちろん、「現実には存在していないこと」が必須条件です。

あとがきで作者が「ネット上で古臭いと言われました」という主意のことを書いているのですが、この古臭さがわたしには逆に古きよき懐かしき、という感じがしてとても好ましい。最先端の情報で構築されていたら、逆に愛せなかったのではないかと。
「清新であること、残酷であること、美しくあることだけは心がけた」という作者の言葉がまったくそのまま作品の評になるというのは素晴らしいなあ。
ああ美しかった(4回目)。グロ寸前の猟奇描写が好みの分かれ目かもしれませんが、わたしは躍りあがりました。

真面目に語ろうとした端から、興奮のあまり文章が素の口調に近くなっているわたしを、みんな哀れむといいです。

『邪魅の雫』

2006年10月1日 読書
京極夏彦、講談社ノベルス。

遅れに遅れ、嘘予告まで打たれた新刊、ついに出ましたね。買いました。読みました。
あんまり地味で驚きました。
いつもはどの線がどの事件につながるのかすらわからず、事件の構築すなわち解体の手続きなんですが、今回は割りと最初から追う線がひとつに絞られていて、解体にカタルシスが薄いというか、そもそも再構築してないような気がするんですが。
益田・青木のサブメンバーがずーーーーっと出張って、ひたすら調査・捜査にあけくれているのがまた一段と地味な感じを演出しています。
新しいレギュラー候補もいなさそうだったし。

関口が榎木津に詰め寄ったり、容疑者にならなかったり、榎木津が事件を破壊しないでまともな行動取ったりと、登場人物が少しずつ変わってきているのが気になるなあ。
わたしの中では『塗仏』で「第一部・完」なんですが、あながち間違ってもいないようなー。

以下ネタバレ。
もし、××××が、最初に探偵に相談していたら、それこそ「百器」のごとく例の面子総出で××××を痛快に嵌め殺してくれたのではないかと想像すると、逆にその大団円じゃシリーズ終わってしまうからこその連続殺人事件なのかもしれません。
うん、そんな気がします。

今回気になった点。
「たまえ」が全部「賜え」になっていたこと。「給え」のほうが好きなんだー、っていうか「賜」という字からは問答無用で「恩賜」が連想されてしまうので、どんだけ偉いんだと気になって仕方ありません。
あと、あろうことか「いまだ」が全部「今だ」になっていたこと……。ありえない!いったいどうしちゃったのか!

益田・青木株急上昇。

あ、この日記フォントカラー指定、青と赤しか使えないのね。せっかくネタバレを背景色反転やってみたかったのにー。

購入日記

2006年9月30日 購入日記
結局『邪魅』を2冊買うという暴挙に及んだので、今月はもう自粛しようと思っていたのに、つい本屋の平台で新刊チェックして購入してしまうわたし。

『グラン・ヴァカンス 廃園の天使1』飛浩隆、ハヤカワ文庫
『家守綺譚』梨木香歩、新潮文庫

どっちも長いこと待ってたので、満足です。
『邪魅の雫』通常版ゲットー。もちろん特典冊子つき。
しかしこうなると、地区限定版初版を冊子ついてなくてもネット通販で買うべきだっただろうかと後悔寸前。
今後おそらく地区限定版は一定数出たら刷らなくなるだろうしなあ。
重版分でいいから来月買ってしまおうかと。

アホだなあ自分。

いつもながら人が殺せそうな厚さで嬉しい。
そして巻末に次回以降の予告があるのがとても心配です。次は何年後なんだ。

血が騒ぐ

2006年9月23日 雑記
ネット通販でも特典小冊子がつくことが判明したので、迷わず購入ボタンをぽちっとな、してきました『邪魅の雫』。
地区限定特装版も欲しい……!
手に入るようなら同じものを二冊買ってしまいそうな自分がアホい。
『フルーツバスケット』21巻。
これで今月の購入予定新刊はあと2冊。

このままえんえんと脇エピソードにかまけ続けて、ぐだぐだになるのではないかと不安でしたが、ちゃんと終わりそうで安心しました。
佐藤賢一、集英社。

前から読みたかった佐藤賢一。
超ツボったので文庫があったら買います。
恩田陸、集英社。

長編。微妙。
短編一杯だった1冊目のほうが充実してたなー。
ウンベルト・エーコ、文春文庫。

買ってから何年かかったのかしら……ついに読了。

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