フランツ・カフカ、池内紀編訳、岩波文庫

後回しにしておいた分を読もうと思って開いたら、読み終わってた。
そして「池内紀編」訳じゃなくて、「池内紀」編訳だったことに今気がつきました。
自分はもうちょっと訳者に敬意を払うべきだと思いました。
あらかじめ『城』を読んでおいてよかったです。ほんと「絶え間ざる延期」でもってできてますよねカフカ。
訳者あとがきによれば、「唐突に現実が揺らぎだす」ところがポイントらしいです。
感想はまたあとで。
今日はじめて長嶋有が男性だと知って驚愕しました。
驚愕って言うかこう?→orz
ブルボン小林名義の本をちらっと見ただけなのに、なんで女性だと思い込んでいたのだろう。謎。

悩んで5分で気がつきました。
わたし、「有」は女性の名前に使う文字だと思ってる。
なんだその偏見は、どっから湧いた。

あと、古川日出男のインタビューで「澁澤読んでますねって言われるけど読んでねえー」という趣旨の発言を見てむしろきょとんした。澁澤なんて思いつきもしなかったですよ。
そんで「ボルヘスは読んでます」に「そーだよね!」と浮かれました。
おペダンを気取りたくてしょーがないので、自分の思い込みが肯定されると安直に喜んでしまうという。

こんな偏見のかたまり。
古橋秀之、ファミ通文庫。

いきつけ書店にファミ通文庫の入荷自体がなくて、今日ようやく入手しました。想定の範囲外。
2巻で完結、ものすごいスケールのインフレと聞いていたので、どんなもんかと思いつつ読んだら、ラストのインフレはインフレのスケール自体が桁違いでした。
世界かと思ったら××××までいくなんて誰が思うよー。
ちょっとだけネタバレすると、→「因果律を」
ほんとすごいですよね。

1巻に比べると、ネタ元がアレな部分は大分減ったですね。みこみこナースと「ぶんだばー!」くらい?
個人的にはあと1冊かけてインフレして欲しかった。クララ投げっぱなしじゃん。全地球の兄とかも。
超河と超江とダルシムメイドが異常にツボ。なんでだろう。
冲方丁、ハヤカワ文庫。

読んだー!
1巻を読み終わる→次の巻に手を伸ばす→読んでる途中で物理的に力尽きる→翌日再開→2巻を読み終わる→3巻を読み始める→読んでる途中で以下略。
そんな感じで1日1冊ペースで読みきりました。
面白かった。極上エンターテイメントを惜しげもなく撒き散らして炸裂炸裂ぅ!
個人的に、エピソードの緊密さというか、全体の構成の緻密さ、各部の連結、原因と結果・過去と現在の複雑極まる錯綜という点で、完成度ははるかに前作(スクランブル)を上回っていると思います。だって『スクランブル』では、バロットとウフコックの邂逅→カジノで決戦→後日譚というふうにばらけちゃってる感じがぬぐえないのですもの。
今回は何処から何処までが、という区切り無しで頭の先からつま先のてっぺんまで絡みに絡んでそれはもう見事でした。
そんでこれが『スクランブル』の末尾にがっちり食い込んでるんだなー。
前日譚だからといってこちらを先に読んだら死ぬぜ!
そんな人はいないと思いますが。
あと、「脇役が主人公の話ー?どうせ脇役の物語なんだろ」と、油断してても死ぬぜ。ボイルド主役のエピソードですが、がっちり『スクランブル』主軸。ウフコック主軸とボイルド主軸でできた螺旋の柱がマルドゥックの柱である、みたいな。
一枚のコインの表裏といってもいいかもしんない。

ナタリアの毒婦だけど悪女じゃない運命の女っぷりがとてもよかった。
運命の女。それ以外にない。

そして今回もこれだけ書いておいて読了記録という情けなさ。
さーて冲方丁の本をさらえてくるですよ。
『ツリーハウスで遊ぶ』ポーラ・ヘンダーソン、アダム・モーネント、日本ツリーハウス研究会&柳田亜細亜訳、二見書房

写真がこの世のものとは思えないうつくしさ。
というか外国のツリーハウスは行き過ぎちゃって、正しくこの世のものとはとても思えません。
こんなものが実在するんだー……。
写真集として眺めるのにもじゅうぶんだし、史料価値も高いです。
でもお値段も高いです。1800円。
ああ、ついに写真集に手を出してしまった。

これシリーズ2冊目らしいので、1冊目も欲しいです。
何気なく夕飯前に手に取ったらやめられなくて、そのままものすごい勢いで朝の4時までかかって3冊一気読みしました。
思ってたのと全然違った……!
マルドゥック・シティで繰り広げられる、血と硝煙と死体の饗宴、でも乾いてごりごりのハードボイルド、かと思ってたらさにあらず。
よく喋るかわいい万能兵器ネズミと、人形のような元少女娼婦の、最強少女ミーツ人外おっさんネズミの、戦うらぶろまんすでした。
うへ、らぶろまんすとか言っちゃった。
しかも、爆殺されかかった高級少女娼婦にしてカジノ経営者の愛人が、特務機関に拾われて命を助けられ、ついでに特殊能力をさずけられる展開に、テンプレな「特殊能力を得てよみがえった少女の復讐劇!」を想像したらそれも違ってました。
超ハイテンション・萌えあり燃えあり・博打あり・銃撃戦含む大立ち回りあり・運命の巡りあいあり・執着と殺し愛あり・ユーモラスな会話あり・ぶっとんだ生き物続出の、極上エンターテインメントでございました。
著者あとがきによると、SFじゃなかなか出版できなくて、いっそライトノベルで出しちまうか!という話があったそうです。こういうときライトノベル愛してると本気で思います。

主人公はウフコック(煮え切らない)――と思いきや、少女バロット(雛料理)。煮え切らないウフコックが金色の「よく喋る、かわいいネズミ」だと知ったときのわたしの衝撃たるや、夜中に「思ってたのと違うー?!」と叫んだくらいです。
これ知らないで詠み始めたほうが絶対いいと思うんだ(と言いながら書く)。
もうほんとウフコックかわいい、超かわいい。バロットももちろんかわいいんですが、全然種類の違うかわいさです。これは詠めばわかる。『十二国記』の楽俊がかわいいと思う人は一撃必殺で萌え殺されると思います。
いやー、なんか頭のなかで、ふかふかの金色ネズミがやけに具体的にイメージされるので不思議だったんですが、今解決しました。そうだ、楽俊だ。
不器用なおっさんと、美少女の組み合わせに「レオンもそういえばツボ直撃だったわー」と思っていたら、あとがきで言及されていて吹いた。

名前やたらたまごなのはなんででしょうか。
ウフコック(煮え切らない)
バロット(雛料理)
イースター(復活祭)
ボイルド(ゆで)
シェル(殻)
ハンプティ(ダンプティ)
などなど。
コミカルでユーモラスな場面になごみ、銃弾で銃弾を弾く、血まみれの撃ち合いに息を止めるほど緊張し、ネズミ一匹のぬくもりに涙します。

ここまで書いて実は読了記録であって感想ではないという(自分的に)すごい落ち。
『芥川龍之介―「藪の中」を解くー』大里恭三郎、審美社

いただきました。
審美社ってどこ?!
買い切りで廃棄寸前、すんでのところでわたくしに拾われたというわけです。
実は小説の評論ってさっぱり理解できません。
何処から生えてくるんだろう。
そんなわけでかたくなに「読書日記」を標榜するのです。
『カフカ短篇集』フランツ・カフカ、池内紀編訳、岩波文庫

一発目の「掟の門」だけ読みました、(喜びで)ぐふぐふ言ってます。あやしいです。
今年の抱負は、
・積み本100冊
・漫画の完全版をあれやこれやと買う
・漫画をあれやこれやと買う
・後半からは成人向けエロに突撃かます
・ラノベも買い揃えちゃう
・山尾悠子の『作品集成』を今年こそ買う

全部達成できたらすごいね!ありえないね!
言うだけならただなので、今後もどんどん抱負を吹いていきたいと思います。
そういえば、『銀河英雄伝説』が創元から文庫で刊行されていてのけぞりました。徳間デュアルでそろえたわたしの立場はどーなる。ファイナルエディションじゃなかったのか田中!芳樹!
もー、今日の日記はほとんど雑記ですね。
『観用少女 夜香』

単行本未収録は、
「ムーンライト・シャドウ」
「神様の盃」
「夜来香」
「お喋りな墓標」
「冬の宮殿」
ですな。
「冬の宮殿」の途中で永遠に休載してしまったのですよね……。
覚えてるのとだいぶ違ってて残念。
お嬢様が「貧乏人に〜悪いことしたかしら」みたいな台詞を言うのを、もう一度見たかったんですが。子どもが突撃したとき、確か雪あったような気がするなあ。

人形好きな人やフリルにドレスに少女に御伽噺が好きな人は、買って悶絶するべきだと思う。
10年待ったからもう一生モンですよ。
『蟲師 8』

ぎゃー!
たいていのグロは平気ですが、脚から生えてるアレには悶絶しました。
ひぎぎぎぎぎ。
『マルドゥック・ヴェロシティ1』
『マルドゥック・ヴェロシティ2』
『マルドゥック・スクランブル 排気』冲方丁、ハヤカワ文庫

購入日記でした。まる。

『象られた力』

2007年2月20日 読書
飛浩隆、ハヤカワ文庫。

いつものことながら指が痛いので感想は後日。
さくさく読めました。楽しかった。
「象られた力」が抜群によかった。
もしかしたら、買い続けているうちに愛が唐突に復活するかもしれないわ、と思って買い込む。
愛が不死鳥のごとく蘇ることは否定しないが、わたしがそれより先に死んじゃう可能性は否定できない。

『マルドゥック・スクランブル 圧縮』冲方丁、ハヤカワ文庫
『マルドゥック・スクランブル 燃焼』同上
『象られた力』飛浩隆、ハヤカワ文庫
『重力と恩寵』シモーヌ・ヴェイユ、田辺保訳、ちくま学芸文庫
『さよなら絶望先生 第7集』

今月の図書カード5千円は一瞬でした。ちくま学芸文庫、値段がおっかねえ。

『百鬼園随筆』

2007年2月15日 読書
内田百?、旺文社文庫。

最近余裕がないです。精神的な余裕つーか愛とか情熱とかそういうあらゆるものを打ち倒してなぎ払って乗り越えてゆくような力がないです。
要するに枯渇して冬眠中。
購入してから丸一日以上その存在を忘れて、かばんの中に入れっぱなしに……。
愛はどこに消えたのか。

『マルドゥック・ヴェロシティ3』冲方丁、ハヤカワ文庫。
『中国怪奇小説集』岡本綺堂、光文社文庫。

上はなぜ3だけかというと、「スクランブル」の3だけが出版社に直接注文してのおとりよせになったのですが、店内を探したらあるじゃーん、とばかりに差し出されたのが「ヴェロシティ」。
どうせあとで買うことになるんだろうから今買っちゃえ、と買ってきました。
スクランブル3冊揃って手元にお目見えするのはいつになるのやら。
そしてまた新たな作家に手を……!冲方丁に手を出してしまった以上、あの辺やこの辺を躊躇する理由もなくなったわけで、この先どうなるか不安なような見当もつかないような。
『羅生門・鼻』芥川龍之介、新潮文庫。

芥川・三島・太宰は全部実家においてるのよネー、と思いつつ手に取ったら、読んだことがない作品満載でぎくりとしました。
常から芥川ラブと叫んでるくせにこのていたらくです。

国語の教科書にはまだ「羅生門」は載っているのだろうか。
ホルヘ・ルイス・ボルヘス編纂・序文/矢川澄子・小野協一訳 イタリア、フランス、ドイツ、スペインで刊行された国際的出版物の日本語版。現代文学の巨匠J.L.ボルヘスが編集、各巻にみずから序文を付した、夢と驚異と幻想の全く新しい「世界文学全集」。ポー、カフカ、ドストエフスキーからアラビアン・ナイト、聊斎志異まで、文学のすべてがこの30冊のなかに! イタリア・オリジナルの装幀。いまなお世界中で読まれ続けているワイルドの童話に、貴公子の奇妙な運命譚「アーサー・サヴィル卿の犯罪」、売家に住みつく幽霊を震えさせてしまう愉快なアメリカ人一家の話「カンタヴィルの幽霊」を併録。


読んだです。まさかワイルド読んでほのぼのと幸せな気分になるとは思いもしなかった。
手が痛いので感想は今度。
古川日出男、角川書店。

すごかったー、ハードカバーで買ってよかった。
感想はあとで色々連想した書名を挙げて書こうと目論んでます。
『DDD』奈須きのこ、講談社BOX

買ってきました。件の「初版売り飛ばしちゃった」行きつけの本屋さんで、重版分が入荷してたのでげっつ。地方難民のわたくしもよーやく読めます。
「ツテがあるから大丈夫だと思ってたんだけど、そのツテから来た本が重版だったんだよね……」
ほんとに申し訳ないと謝られました。
いやー「倒れるかと思った」って言われましたから。そんな、本が手に入らないくらいで倒れるってわたしどんな生き物だと思われてるんだろう。本命(zero)は手に入ってるし、初版はすっぱりあきらめます。

それはさておき。

だっさー。

話には聞いていましたがものすんごいダサいですねこの本。箱から取り出すとなんと雑誌みたいな装丁で1300円税別というおそろしさ。
しかも中身はこれなんて書体?
ゴシック体を細くしたみたいな、ポップなのか不気味なのかわからない、素人にはぱっと名前も出てこない謎の書体が並びます。
それも全文。
何かの間違いかと思ってページめくってチェックしちゃったぜ。
目が、目がああああー!

あと、相変わらずすんげー悪文ですねきのこ。書体とあいまって脳が理解を拒否します。ううう。
『BLEACH』26巻買ってきます太。もとい買ってきました。
くまなく全員にインフレフラグが立ってて切なくなりました。
本誌もときどき見てるけど、一護さん以外のインフレは後付けにもほどがある。
ページの余白にあるちょっとした漫画のほうが面白いって言うのはどうなのかしら。

砕蜂ダメな子……!(萌え萌えです)

漫画購入日記にもれなく感想がついてるこのごろ、カテゴリ独立させたほうがいいのかしらー。

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